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ぼくが、わたしが活動を始めた理由
岡山神社の鳥瞰図でまちに愛着を
中村 慎吾

幼少期から絵を描くことが好きでした。広告代理店で働いていた頃は、ディレクターをしていましたが、自分で制作できない居心地の悪さを感じていました。父の影響で、宅地建物取引士を取得していたことから、数年前に不動産会社に転職し、私らしい不動産の提案を模索してきました。まちのイラストを描いてみたり、そのまちで暮らす人の風景を描いてみたり、平面図を立体的にしてみたり、あれこれ試しました。イラストが「どんな暮らしができるのかな」と想像する役に立ってほしいと考えて絵を描くことを再スタートしました。
鳥瞰図絵師の岡本直樹さん、青山大介さんを知り、CGでもグーグルマップでも表現できない、人の手で描かれるまちの表情を描き出す絵の魅力に引き込まれました。どんなまちで暮らすか。そこでどんな人と出会い、どんな会話が生まれるのか。まちを楽しむことが、暮らしが豊かになる第一歩だと思っています。今回、挑戦する「鳥瞰図」で、まちの温もりや愛着を伝えることができると信じています。
岡山神社が古くから今も愛されている場所であることから、描いてみたくなりました。周辺エリアも描くことで、絵の中をまるで歩いているかのような感覚になってもらえると嬉しいです。また戦禍で消失する前の木造だった本殿・拝殿を鳥瞰図の中で蘇らせることができないかと考えています。おそらく戦前の資料は少ないと思いますが、地域の人たちにご協力いただき、昔の話を丁寧に聞かせていただき絵にしていきたいと思います。鳥瞰図が持つ魅力を伝え、まちに愛着を持つ人が増えること、それが私の目標です。


〈出典〉ふえき 87号(2025年5月25日)