ぼくが、わたしが活動を始めた理由

幸せを考え、感じる場づくり

特定非営利活動法人 f.saloon代表執行役 守谷克文

  • 知る
  • 2022.07.21

2021年10月にオープンした10代の居場所(放課後スペースINBase)を主な拠点として、小学校中学年〜中高生をはじめとする10代の子どもたちが、多様な大人と出会ったり、なにか特別な体験を地域や専門家と一緒に取り組むような機会を提供したり、あるいは子どもたち自身がなにか考えて企画・実施するのを支援しています。

特定非営利活動法人 f.saloon代表執行役 守谷克文

そもそも僕が大阪から地方移住を決めたのは、自分の目に見える範囲の世界を豊かにして、その中で暮らしたいという想いがあったからです。いわゆる名門の中高一貫校から名門大学に進学したので、周りはずっと日本とか世界とかを見ている人が多かったですし、僕自身も流されるままにそうでした。

しかし改めて社会にでる時期が迫ってきて自分の生き方とか幸せを考えたときに、顔も名前もしらない広い範囲の大勢の人たちのために何かを為す人生は、社会的に意義深いのは確かだけど、それが本当に自分を幸せにしてくれるのだろうか、と思ってしまいました。

それよりも自分の日々の暮らしの中に確かに存在する顔の見えるひとりひとりのためになにかをして感謝されて、そしてそれが自分の生活の豊かさに還元される生き方のほうが、幸せを感じられるような気がしました。

そんな風に考えて大阪からほど近い備前市に移住して、始めたのがf.saloon(エフサルーン)です。だからf.saloonの活動自体も、「幸せってなんだろう」というのを子どもたちと一緒に探すというのが根幹にありますし、僕自身そもそも教育の目的はそこだと思っています。

いろんな生き方・体験・選択肢を見て・学んで・感じて、それを材料に自分にとっての幸せを考える。ひとつじゃなくてもいいし、途中で変わってもいい。それくらいのゆるさで、過程を楽しむ気楽さをもって、子どもたちの幸せと自分にとっての幸せをこれからも探し続けていけたらと思います。

留学生と里山で交流する子どもたち

〈出典〉fueki78(2022年5月25日)