地域学のススメ

地域は持続発展可能性と魅力にあふれていることを知ってほしい

蒜山ミライ会議代表・内田浩文(指導教諭)

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  • 2022.04.14

地域の課題を自らの課題と捉え、地域の人たちと関わりながら、主体的に課題解決に取り組む学習「地域学」。「高校生と地域」の取り組みは全国的に注目されています。

内田浩文さん

真庭市蒜山地域の活性化と、岡山県立勝山高等学校蒜山校地と地域社会の連携を深め、未来を共創する活動をサポートするために蒜山ミライ会議の活動を2020年度から始めました。

地域・行政・高等学校の連携を強化し、目の前にある課題を「自分事」として捉えることができる人材育成を目的に、「提案型インターシップ」と「蒜山ミライ会議」に取り組んでいます。
「提案型インターシップ」では、従来の職業体験を提案型に発展させ、地域課題の解決を目指す生徒たちが地域内の事業所に提案・協働します。「蒜山ミライ会議」は、生徒と地域住民が地域課題の解決策について話し合います。

高校生だけに意識改革を求めるのではなく、地域に暮らす「大人たち」にも、既存の枠を破る勇気が求められています。世代を超えて発想を共有し、共に未来を語り合う時間・空間を創り出すことは、地域社会において急務だと考えています。

高校生にとって、地域社会は「なにもない」所ではなく、持続発展可能性と魅力にあふれたエリアであると認識されるようになると共に、地域活性化のキーパーソンとして蒜山以外の地でも活躍できるようになってほしいと願っています。

提案型インターンシップからミライ会議、そして今年取り組んでいるプロジェクト学習を通じて、生徒たちは「自分を語る」ことができるようになりました。卑下するのでも尊大になるのでもなく、まっとうに自分と向き合う。そして、隣にいる友人を認める。これもまた、地域を活性化する上で大切な資質・能力だと思います。

(左から)小谷琴羽さん、遠藤聖佳さん、杉村真輝さん、杉村美紗都さん、宮本郁美さん

活動テーマ:「1億年前からのタイムカプセル? 特別天然記念物を食べてみたい!」

●団体名:うおうお班

活動について
現在は食することは禁止されているはんざき(オオサンショウウオ)ですが、祖父母世代では食べた経験がある人もいるそうです。聞き取りをしたところ、「鶏肉っぽい、山椒の香りがする、軟骨っぽい」とのことで、鶏ひき肉と鳥軟骨を合わせたタネに山椒を加えたハンバーグを作り、はんざきを知らない人やうっすら知っている人にもっと関心を持ってもらうため、イベントなどで販売します。これまでの活動をまとめたチラシも作成し、地域の食文化や持続発展可能性について高校生から発信していきます。

「18年間生活してきた地元には、時代とともに変化していく「生き方」の中で消えていった貴重な文化があること、そして受け継がれることなく消えかけている文化がたくさんあることを知る機会となりました」(杉村美紗都さん)

(前例左から) 永田陽菜さん、奥田日和さん、美甘里奈さん (後列左から)川越博文さん、國森結理奈さん、髙田連さん

活動テーマ:「蒜校パレットに多彩な色を ~中庭編~」

●団体名:「無色」だった中庭に「色彩」を!チーム

●活動について
学校のコミュニケーションをとる場が少ないという「不」の部分を解決し、可視化できる形で「憩いの場」を創り、蒜山校地の魅力を向上させるという目的で、地域の専門家の方のご意見をお伺いしながら、殺風景だった中庭に生徒が集まれるウッドデッキの作成や気分が晴れるような花壇と、話し合いの場となるようなデスクをつくります。生徒間のコミュニティが自発的に生まれる空間になってほしいです。

「積極的に発言をしてそれを行動に移して、色んな人と話し合いをして自分が何をしなければならないのかなどの自覚をしっかりもって活動でき、他人事だったものが自分事に変わりました」(髙田蓮さん)

「今回の活動を通して同じゴールを目指すメンバーが個性を活かしながらグループに貢献する仕組みを学ぶことができました。今後はますます調和性が重要になってくると思いますが、その土台を学ぶことができた貴重な機会でした」(川越博文さん)

ウッドデッキ

(2022年9月25日 FUEKI No.76)