仲間と共に学び合う子どもを目指して 小規模校合同授業の実践を通して

団体名:高梁北教育研究会
代表者:土井政宏 所在地:岡山県 
助成年度:2014年度 教育活動助成
  • 3小学校合同授業5年生 4校時国語
  • 6年生合同授業(中学校) 6校時英語

研究・実践活動のねらいと期待する効果

H25年度、高梁北中学校区の小中学校(高梁北中・川面小・宇治小・中井小)は、特別支援教育の視点を取り入れた授業実践に取り組み、その研究成果を発表する研究会を合同で開催した。その結果、「アセスメントシートなどを活用し、個と集団の実態把握をすることにより、的確な支援を行うことができる」「4校が同じテーマで研究を行うことにより、小学校同士、そして小中学校の連携が深まる」「支援が具体的で明確になり、子どもたちがめあてをもちやすく意欲的な学習へつながる」など、4校合同による研究会の成果を確認することができた。
しかし、4校とも小規模校(宇治小と中井小は複式学級校)であるため、「子どもたちは小さな集団内での安定に満足しがちであるため、新しい人間関係づくりや積極的なコミュニケーションが難しい傾向にある」「学び合いによる思考力・表現力が育ちにくい」などの課題は解決できにくいままでいる。
この課題を解決するためには、小規模校が一つの学校に集まり、子ども同士による学び合いの場としての合同授業の実施が効果的ではないかと考えている。子どもたちは、合同授業により多様な価値観に触れ、切磋琢磨するなかで、「学ぶ力・表現する力」を高め、学力を向上させていくと思われる。また、合同授業の成立に向けて、教員の授業力の向上があわせて期待される。

研究・実践活動の内容と方法

1研究組織
合同授業の実施、成果の検証に向けて、中学校区における研究組織を整備した。
(研究組織PDF参照)
中学校区校長会、学力向上推進委員会(各校研究主任)は、必要に応じて随時開催した。また、合同授業に係る全体の打合会を夏季休業中にもち、各学年部会の打合せはそれぞれで設定し、メール等で実践に向けての準備を進めた。

2実践内容
①中学校区3小学校合同授業
ア)日時・場所
平成26年10月21日(火)10:10〜13:25
川面小学校
イ)日程と学習予定
10:10宇治・中井小学校児童川面小学校へ到着・移動
(日程と学習予定PDF参照)
12:15〜13:15昼食(弁当)・休憩(遊び交流)
13:25〜帰校・各小学校で通常授業

②6年生合同授業
ア)日時・場所
平成26年11月25日(火)13:30〜15:30
高梁北中学校3年生教室
イ)日程と学習予定
13:30〜14:205校時授業学級活動
(窪津教諭)
14:30〜15:206校時授業英語
(小嶋教諭)

得られた成果及び評価

1中学校区3小学校合同授業について
ア)児童の評価・成果
一緒に学習したことに対する評価は、「とてもよかった/よかった」の肯定的評価の合計が97%であった。今後また一緒に学習したいという評価も、86.4%であった。そして、より小規模の学校の児童ほどそう回答しており、多様な価値観に触れ、切磋琢磨する機会を望んでいることが分かった。昼食時間や休憩時間での交流に対する評価も98%と好評であった。
イ)教職員の評価・成果
「他校の友達と共に生活することで、新しい人間関係をつくる力や積極的なコミュニケーション力を培う場となった/多様な考えを自分の中でどう考え処理していくか、少人数では経験できないことができた/いつもは学年一人なので、友達と相談したり自分の考えがみんなに認められたりする機会が少ないが、合同授業で人数の増えた中、自分の考えが認められる場があり、達成感が高まった」などの感想からも、ねらいとした、「新しい人間関係づくりやコミュニケーション能力の伸長」「学び合いによる思考力・表現力の伸長」に迫ることができたと考えている。

2中学校における6年生合同授業について
ア)児童や6年生担任による評価・成果
95%の児童が一緒に学習したことを肯定的に評価しており、学級活動に対しては「中学校の生活や勉強の様子がよく分かった/他の学校の人たちといい話し合いができた」こと、英語の授業では「英語は苦手だけど、分かりやすくてためになった/今学校でならっていることと少し変わるけど、今の学習を中学校で生かしてみたい」などの感想が見られ、緊張感をもちながらも有意義な時間を過ごしたことが分かる。また、6年生担任の評価も高く、中学校での授業の雰囲気を味わうことができ、入学に向けての期待感を高めることができたこと、そして、中学校の教員により、6年生のこの時期に何をしておけばよいのかを児童に考えさせ発表し合えたことに大きな意義を見い出している。
イ)中学校授業者による評価・成果
「(学級活動では)今大切なことについて、意見の交流から感じ取ることができたのではないか/児童は、既習の英語の表現を使ってコミュニケーション活動をすることにより、中学校での学習が小学校の基礎の上にあることに気づいたと思う/中学校の教員としては、児童の実態の一部を知ることができた」など、授業を行った中学校教員も手応えを感じている。

残された課題とその解決への展望

今回の小小・小中連携による合同授業で、小規模校が抱える課題の解決策として、ひとつの手法が提示されたと考えている。また、小中連携のヒントを得ることもできた。しかし、小学校において物理的に合同授業を受け入れ可能な規模の学校は限られており、今後は回数を増やすことより、小小・小中連携の中で、継続と効果的な授業内容や交流のあり方を探っていきたい。

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