教育文化賞

福武教育文化賞について

福武教育文化賞の目的は、岡山県の教育文化の向上に著しい貢献が期待される個人や団体を奨励するために賞を贈り、教育文化の振興による魅力的で豊かな人づくり地域づくりに貢献することです。
教育と文化の両面がお互いの特色を発揮することにより、より良い効果を生み出すことを願っています。

福武教育文化賞受賞者全体写真
※氏名表記 · 略歴 · 顔写真は受賞当時の情報です。

2021年度 受賞者決定

福武教育文化賞

軸原ヨウスケ | グラフィックデザイナー/COCHAE 代表・アートディレクター
軸原ヨウスケ

近年忘れられかけている伝統文化に光を当てて、民藝や郷土玩具などの周辺を発掘・再発見し、新たな価値を吹き込み再び世の中へ発信する活動は、エリアを超え県内外からも高く評価されている。独特な個性をいかしたグラフィック折り紙などの創作は、伝統文化の新しい視点での継承や復刻にもつながり、次世代を担う一人として注目されている。
また、『岡山発見かるた』のデザイン等を通して岡山の魅力を発信する活動は、岡山県の文化振興にも大きく貢献しており、今後の更なる活躍が期待される。

主な取り組みと実績独学でデザインを始め、デザインユニットCOCHAEのメンバーとして「遊びのデザイン」をテーマに、紙のパズル、グラフィック折り紙、伝統文化に新しい視点を取り入れた玩具の開発、展示やワークショップ、書籍の企画・編集・デザイン等、幅広い創作活動を行っている。郷土玩具にも造詣が深く、企画執筆・デザインを手がけた『kokeshi book』は東北の伝統こけしを紹介したもので、第三次こけしブームのきっかけになったと言われている。
また、近年は「岡山名物きびだんご」(山方永寿堂)などパッケージデザインや、包んで完成する風呂敷の「福コチャエ」シリーズなども手がけている。
企業のほか美術館や博物館とのコラボレーション企画も多数行い、岡山県立美術館主催の現代アート企画展「自由になれるとき 現代美術はこんなにおもしろい!」(2012年)など3点の展覧会ポスターは、グラフィック社が編集・刊行した『展覧会のグラフィックデザイン』(2015年)で紹介された。その他『岡山発見かるた』(2021年/岡山県)の図案とデザインなど、グラフィックデザインの範疇にとどまらない企画性あふれる活動を展開している。

竹内佑宜 | 郷土史家/公益社団法人 津山市観光協会 顧問
竹内佑宜

郷土史家として地域づくりの中核的な存在であり、積極的に活動を展開している。作品や記録資料を調査・収集し、執筆および出版活動を続けるとともに、当時の人々の志や生き方を読み解き、年譜式の資料集やエッセイなど、さまざまなスタイルで情報を発信している。個人的な研究のみにとどまらず、津山郷土博物館などとの情報交換、更には調査を終えた作品群の一括寄贈など、研究機関での継続的な活用を視野に進めており、時勢を見抜いた実行力で、岡山県の郷土研究と地域振興に大きく貢献している。

主な取り組みと実績津山藩の文人画家や幕末の歌人をはじめ、美作地域ゆかりの人物について、長年にわたり作品や記録資料を調査・収集し、研究成果の執筆及び出版活動を続けている。かねてより研究を進めてきた幕末の津山藩士・鞍懸寅二郎について、津山市内の研究者及び墓所である本源寺が協同で「鞍懸寅二郎研究会」を組織し、『史料が語る津山藩士鞍懸寅二郎』を編集・発行した。氏は会長として編集に携わり、貴重な史料集の発刊にも尽力している。
また、多くの観光事業も手がけ、公益社団法人津山市観光協会の会長任期中は、「美作大茶華会」の開催、「津山市観光立市宣言」の議決、「津山観光マイスター」制度の創設など、また「B-1グランプリ」の開催やB‘zの凱旋公演の歓迎プロジェクト等の実施に携わるとともに、津山城の鐘楼復元やさくら基金(桜の苗木植樹)の創設や、津山まなびの鉄道館の開館、SL「C11-80号」の津山駅前移設などにも尽力している。
特に、2015年に開催した「ロバートキャンベルさんと楽しむ秋の園遊会 衆楽の宴」は、キャンベル氏が『衆楽雅藻』を研究するため津山を訪れた際に、その原本と見られる肉筆の巻子《衆楽雅藻 乾》を所蔵する氏と出会ったことが機縁となり、現在の衆楽園での「曲水の宴」の再現と、キャンベル氏を招いてのパネルディスカッションが実現したものである。美作地域の歴史に根差した催事の企画・運営により、地域文化の魅力を発信し、活性化につなげている。

福田廉之介 | ヴァイオリニスト/一般社団法人 The MOST 理事長
福田廉之介

新進ヴァイオリニストとしての活躍にとどまらず、日本の若き才能豊かな音楽家たちで結成された室内オーケストラを主宰するなど、独自の活動を展開している。自身が辿った音楽人生から新たな若い音楽家の芽を育てることを目指し、岡山から全国、更に世界へと次の世代の音楽家を送り出すなど、まさに岡山の文化の発展・成長への欠かせないキーパーソンとして、その活躍はめざましいものがあり、岡山県の音楽による地域振興に大きく貢献している。

主な取り組みと実績幼少から類まれなる才能を発揮し、国内外の数々のコンクールで優勝している。特に2013年のクロスター・シェンタール国際バイオリンコンクールでは全部門出場者中の最高得点奏者に贈られるForderpreisを受賞するなど、ジュニア時代から国際的にも高く評価されている。赤磐市内の中学校を卒業後、シオンの音楽学校をわずか1年で首席卒業し、飛び級入学したローザンヌ高等音楽院も首席卒業。
2020年には若干20歳の若さで、自身を中心に国内外で活躍する若手音楽家たちと室内オーケストラ「The MOST」を結成し、良質で敷居の低いクラシック音楽に触れる機会を提供することにより、未だ裾野の広くない日本におけるクラシック音楽の普及振興を図っている。また、10代以下の次世代を担う人材を対象に、本格的な演奏の場をつくることにより未来の音楽家の育成を目指すなど、更に活躍の幅を広げている。
新型コロナウイルスの影響を受ける中、第1回 The MOST日本公演は、東京・岡山・石川での開催を実現し、2021年10月には第2回The MOST日本公演を、広島・石川・東京で開催し成功へと導いた。国内外での活動を拡大する中、岡山を必ず帰るべき原点の地とし、毎年ソロ活動及びThe MOSTの公演の主要拠点として、岡山のクラシック音楽文化に貢献している。

NPO法人灯心会 スカイハート灯 | 代表 藤原恒雄
NPO法人灯心会 スカイハート灯

長きにわたり、芸術と福祉の連携を実践され、継続的に展覧会を開催するなど、障がい者の方が働きながら文化芸術を楽しめる活動を展開している。信念を変えることなく、個人の特徴や特性を理解し、暮らしやすい環境づくりと、誰もが活躍できる場の実現に取り組む活動は、世界の流れにも合致し高く評価される。
またアートによる社会的自立、精神的自立を目指し頑張る姿やそれらの作品を鑑賞することで、次代を担う子どもたちの教育的成長にも大きな影響を与えている。

主な取り組みと実績支援の必要な障がい者の方々に対して、自立した日常生活や、社会生活及び就労支援などに必要な事業や活動を展開し、福祉の推進を図るとともに、ノーマライゼーションの地域社会の実現に寄与することを目的として、「アートを通して自立を目指す」という創作活動を行っている。利用者の創作意欲を最大限に尊重した活動は、「絵を教える」のではなく「自由に描く」機会を確保し、また生み出した作品を展示し、多くの人に観てもらうことで創作する喜びを感じてもらう取り組みを行っている。
利用者であるアーティストが創作した作品は岡山県美術展覧会などにも出品されており、多数の入選・受賞をするなど、作品としての価値を積み上げることに取り組んでいる。更に創作した作品を販売することにより、自身の手によって生み出されたものが、評価されて利益につながるという喜びを経験できる仕組みづくりは、経済的な自立支援にもつながっている。
林原国際芸術祭 希望の星「モナリザを描くⅡ」に作品が入選、入賞した際には、加計美術館で巡回展が開催されたが、県北からアーティストが来場することは困難であったため断念した。しかし多くの鑑賞者に自身の作品を見ていただく喜びを実感してもらいたいという強い想いから、地元真庭市で「モナリザを描く」展の開催を実現させるなど、アーティストの心に寄り添った支援活動を行っている。

たまのスチューデントガイドプログラムチーム | 代表 妹尾均
たまのスチューデントガイドプログラムチーム

小中高生が瀬戸内の魅力を学びながら、社会に向けて発信していく活動を行うことで、国際理解・地域創生への関心、主体性や英語力、コミュニケーション力の向上につながっている。メンバーが入れ替わる中、継続的に活動を行いながら、設立から延べ600名を超える児童生徒等がプログラムに参加しており、その実践力と教育的効果が高く評価されている。今後の社会教育モデルとしての広がりと、岡山県の地域振興への貢献が期待される。

主な取り組みと実績岡山県玉野市を拠点として、~宇野港を教育フィールドに~をテーマに掲げ、「地域で学ぶ空間が、玉野を良く知り地域とのつながりを意識するきっかけに」「小中高大の子どもたちが一緒に学ぶ空間が、自分の夢や目標を持つきっかけに」「外国人と話す機会が英語を学ぶ意味を考え、国際感覚を養うきっかけに」という3つの要素を取り入れ、幅広い世代と一緒に国際交流活動を実施している。実践的な英語教育の場として、外国人観光客が多く訪れる宇野港・宇野駅で、おもてなし活動や交流を体験することにより、子どもたちの学習意欲や地域に関する興味関心の向上にもつながっている。
また、プログラムの参加者を固定することなく、幅広く参加の募集を行うことで多くの小中高生がプログラムに参加し、更に支援者としてALTや海外からの留学生、外国人ボランティアにも参加してもらうことにより、国際交流の機会が増え、外国人参加者に瀬戸内の魅力を知ってもらう機会となっている。連携してプログラムを実施する地域のガイドボランティアからは「子どもたちがおもてなし活動に関わることによって、地域が元気になる」などの感想があり、地域の方の生きがいづくりにも効果が見られている。
新型コロナウイルスの影響が拡大する中、外国人留学生や地域ボランティア団体等とオンラインによるプログラムを実施するなど、活動を絶やさない努力を重ね、2022年に向けて意欲的に活動を続けている。

2020年度 受賞者

福武教育文化賞

川嶋絢 | ピアニスト/「宙(SORA)への奏で」
川嶋絢

障がいを抱えながらも、幼少期からピアノへの強い想いを抱き、日々努力を重ねながら地道な演奏活動を続けている。身体的なハンデを自ら創意工夫して克服し「聴く人の心に残るようなピアノを弾けるように頑張っていきたい」という前向きな姿勢は、同じダウン症の子どもやその保護者に、障がいにとらわれない生き方の多様性を提案している。大好きなピアノを弾き続け、積み重ねてきた実績は、地域における子育て支援や障がい者への理解を広げることにもつながり、岡山県の音楽による地域振興に大きく貢献している。

主な取り組みと実績保育園での鍵盤ハーモニカの演奏が機となり、5歳からピアノ教室に通い始め、高校2年生の17歳の時、初めて障がい者ピアニストのコンサートに参加した。
手が小さく、通常の指使いでは弾けない楽曲を自分なりにアレンジしたり、音符は自分では詠めないため、カタカナや記号で認識したりと日々努力を続けてきた。
国際障がい者ピアノフェスティバル・全国大会やカナダ、オーストリア、台湾などでの国際大会へ参加する一方、自宅近くのカフェレストランにおける月3回のランチコンサートの実施を軸に、地域の幼稚園や小学校での演奏、病院や高齢者施設などでの慰問公演を行う。2011年には東日本大震災支援チャリティコンサート、2016年には熊本地震復興支援コンサートなどに参加し、精力的に社会貢献活動を行っている。
また、同じ障がいを持つピアニストたちによるグループ「宙(SORA)への奏で」のメンバーとして、独自に各地での演奏活動を行ったり、台湾の障がい者音楽家たちと現地での交流も続けてきた。新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月に計画していた津山市での交流コンサートは延期となったが、台湾との国際交流活動はライフワークとして続けたいと願っている。

柴田れいこ | 写真家
柴田れいこ

一貫して女性をテーマとして撮り続けた作品は、地域や社会的問題に焦点が当てられており、そのさりげない表現の中には、それぞれの女性の生き方に対する温かな思いとやさしい視点があふれている。県内外で開催される写真展やトークイベントは、地域について再考する新しい指標となっており、鑑賞者へこれからの生き方を考えるきっかけを与えている。世代を担う表現者の一人であり、その表現活動は幅広い世代への力強いエールとして高く評価され、教育的な効果も期待される。

主な取り組みと実績子どもの独立を機に「自分にも何かできることがあるのではないか」と思い立ち、52歳で大阪芸術大学写真学科に入学し本格的に写真の研鑽を積む。
最初に手掛けた個展「天女の羽衣」では、地域で暮らす女性の今の姿を撮影し、高齢化社会へと向かう中で、女性たちの深層にある不安や焦りを表現した作品を発表した。また日本人と結婚した外国人女性を撮影した「Sakura さくら」は、日本の風習の中で様々な困難を乗り越えて力強く生きている姿に心動かされ、岡山という地域から世界を表現する試みのもと始められた作品である。太平洋戦争で夫を失った女性たちの肖像と証言を記録した「届かぬ文-戦没者の妻たち」は、3年以上かけて50人以上の女性の話を聞き、戦地には赴いていない女性側から戦争の悲惨さを訴えた作品である。
純粋に自分の心の中の表現と向き合って出てきた撮影したいテーマには、マイノリティや社会的弱者についての社会問題が内包されている。地域において個展などを開催し、写真という手法を通して、作品に込められた思いや社会的な問題を鑑賞者に問い、一緒に考え共有することで広がりのある表現活動を行っている。

備中志事人 | 代表 藤井剛
備中志事人

中高生たちの地域づくりに関わる人材育成や地域における学びの場の創出活動を精力的に行っており、岡山県内で同様の活動を展開するグループを巻き込みながら、県全体のネットワーク組織の母体としての役割を果たしている。高校教育などで、「地域学」的な実践型教育が急速に求められるようになっている中で、このネットワークを短期間で広げ深めた実践力は高く評価されており、岡山県の地域振興に大きく貢献している。今後、全国への広がりと、更なる継続的な活動が期待される。

主な取り組みと実績中高生と大人や大学生たちが、世代と地域の枠を越えて出会い、協働の場づくりを通して「自らを変える一歩」「未来を変える一歩」を踏み出すことを応援している。
その中心的な活動として、地域の課題解決などを自分事として志を立て、「マイプロジェクト(行動計画)」にする「コノユビトマレMTG」や「コノユビトマレ合宿」を開催したり、そのプロジェクトを発表してより高めていく「ジブンゴト学会」などを展開したりしている。
また、県内での活動のみならず、全国高校生マイプロジェクト実行委員会(認定NPO法人カタリバ等)が行う「全国高校生マイプロジェクト・スタートアップキャンプ」や「全国高校生マイプロジェクトアワード」の運営補助及び生徒引率など、マイプロジェクトを全国の高校生に広げる取り組みを行っている。
このような活動を行う中で、中高生たちが、興味関心や周囲への問題意識の中から課題を設定し、他者との対話や協働からの学びを通して解決に向けていく過程は、社会に主体的にかかわる基礎力となり、思考力、判断力、問題解決能力が育まれるとともに、自分のプロジェクトを説明することによって表現力も高められることに繋がっている。
さらに、中高生の活動支援に関わる大人たちの結びつきを積極的に強めるとともに、中高生時代に志事人の活動に参加した多数の大学生たちが、次は自分たちが中高生たちを助けたいと申し出てメンバーに加わるなど、同じ志(目標)でつながった志縁コミュニティの形成・拡大と志の循環・継承にも効果が見られている。

2019年度 受賞者

福武教育文化賞

浅野泰昌 | くらしき作陽大学 子ども教育学部 講師
浅野泰昌

乳児向け舞台芸術「ベイビーシアター」研究の国内第一人者であり、学生劇団との協働によってベイビーシアターなどを制作・上演し、乳幼児の情操教育に多大な影響を与えている。また、文化芸術と教育を結び付けた効果的な学生養成、人形劇の上演による地域に密着した地道で継続的な子育て支援は、優れた教育文化活動であり岡山県の地域振興に大きく貢献している。

主な取り組みと実績乳幼児及び児童向け舞台芸術の制作・上演を行う学生劇団「くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと」を設立し、指導教員を務める。学生と共に人形劇等の制作・上演や組織運営を行い、全公演の指導や引率を担うなど、学生養成と社会教育及び地域貢献に一体的に取り組み、活動を精力的に牽引している。2008年8月の設立から2019年8月までの公演実績は530回を超え、地域公演の他に、文化庁「文化芸術による子供の育成事業~芸術家の派遣事業~」を担当したり、国際演劇祭(松江・森の演劇祭、いいだ人形劇フェスティバル他)に招聘されるなど専門家の評価も得ながら、現在も実績数を伸ばしている。

菅原直樹 | 俳優、介護福祉士/「老いと演劇」OiBokkeShi 主宰
菅原直樹

高齢化社会の課題解決のため、「介護の現場に演劇的手法を用いる」という介護者が認知症の理解を進め深めることを目的とした活動は、先駆的な取り組みであり、画期的なアイデアである。演劇、介護のジャンルを超えた活動は、それらに携わる人々の意識を変える大きなきっかけとなり、今後も地域振興の向上に更なる貢献が期待される。

主な取り組みと実績「老人介護の現場に演劇の知恵を、演劇の現場に老人介護の深みを」という理念のもと、高齢者や介護者と共に作る演劇公演や、認知症ケアに演劇的手法を取り入れたワークショップを実施。超高齢社会の課題を「演劇」というユニークな切り口でアプローチする活動を続けている。
演劇体験を通じて楽しみながら認知症の人とのコミュニケーションを考える『老いと演劇のワークショップ』の実施や、観客が俳優と共に実在の商店街を歩きながら演劇を鑑賞する、徘徊演劇『よみちにひはくれない』など、数々の演劇公演を行っている。
また、岡山県内のみならず、埼玉、熊本などをはじめ多くの地域で活動の輪を広げている。三重県では、2017年から始まったOiBokkeShi×三重県文化会館「介護を楽しむ」「明るく老いる」の2つを柱とする3年間のアートプロジェクトが進行中である。そのプロジェクトの一環である「老いのプレーパーク」は、2018年、公募で集まった老いや介護に関心のある三重県内の19歳~90歳(結成当時)の公募メンバーにより結成され、その顔ぶれは定年退職したシニア、理学療法士、介護真っ最中の主婦や親子で、参加のメンバーまで様々である。老いの明るい未来を模索し、菅原氏の指導のもと、2018年12月に発表公演「老いたら遊ぼう!老人ハイスクール」を上演した。OiBokkeShiの活動を密着取材した「よみちにひはくれない~若き“俳優介護士”の挑戦~」(OHK/2015年)は第24回FNSドキュメンタリー大賞で優秀賞を受賞、「演じて看る」(KSB/2018年)は平成30年日本民間放送連盟賞で優秀賞を受賞。

山地真美 | 情景描写ピアニスト/Benerootミュージックアート事業部責任者
山地真美

ドローンによる空撮と即興演奏で日本各地の情景を残していくという、新しい芸術表現のジャンルを開拓した功績は大きく、ピアニスト個人の表現活動から大きく踏み出し、地域に根差した活動の輪が広がり続けている。県内にとどまらず、全国、世界への「発信力」「活動の広がり」は地域の未来づくりにとって重要な取り組みであり、今後更なる活躍が期待される。

主な取り組みと実績「情景描写ピアニスト」として、音楽を通して地域の魅力を世界中に発信する活動を行っている。カンヌ国際映画際祭入選作品「ORIGAMI」のテーマ曲に、後楽園の鶴の放鳥を描いたオリジナル楽曲「鶴は舞う」を提供、BSフジ番組「ブレイク前夜」の音楽を担当するなど数々の楽曲を提供した。2017年にはアメリカロサンゼルス公演、2018年3月には上海公演を実現し、上海テレビをはじめとするメディアに「情景を描く日本人ピアニスト」として取り上げられた。2019年にはコスタリカのサンホセ市にて、岡山城主宇喜多秀家のテーマ曲「生きる」をピアノ協奏曲に編曲し、コスタリカ青少年交響楽団との共演を果たした。海外において、地元岡山の児島のジーンズや鯉のぼりを使用したオリジナル衣装も高い評価を受けている。
また、廃校で使われなくなったグランドピアノの寄贈を受けて屋外の情景の中で行う演奏が話題となり、新庄村の凱旋桜、旧閑谷学校、神庭の滝、蒜山高原、牛窓オリーブ園、建部町しあわせ橋などの美しい情景を撮影したドローン映像と自身の生み出したピアノ音楽を組み合わせた映像作品を、「浮世音」として全世界に発表している。
2016年より、「山地真美との100人オケ」を企画。この100人オケは、地域の人たちと一緒に、地域にしかない音楽を作りあげるため、人と人が音楽を通してつながるというプロセスが、100年後の「地域の音楽文化」となることを目指している。2019年春会期の瀬戸内国際芸術祭にて、宇野港でのオープニングアクトを、総勢500人の一般参加者と共に成功させる。「100年後の未来に音楽のおみやげを」という活動方針を掲げ、岡山・関東・海外での活動を進める。現在、おかやま観光特使。