水島コンビナートクルーズ&バスツアーで地域の活性化を
代表者:鎌田雄二 所在地:倉敷市 設立年:2023年 メンバー数:30名 助成年度:2024年度 教育文化活動助成
活動の目的
水島コンビナートで働く従業員数は40年間で約1万5000人減少し、大規模商業施設が倉敷市中心部にできたことも影響し、水島商店街の売り上げは減少、現在は商店街の空き店舗やコミュニティ不足などが地域の課題となっている。また、倉敷市への旅行観光客のうち、宿泊率は約23%(広島市は45%)であり、新たな観光資源を開発していくことで、倉敷市全体にも貢献したいと考えている。そのために、地域の魅力を発見することを目的としたツアーを企画から実施までを行うことを通して、生徒の主体性を伸ばし、課題発見・解決能力やコミュニケーション能力の育成を目的とする。また、ツアー企画・実施に向けて、水島の産業活動、重化学工業の現状、環境保全など様々な視点から水島地域の課題の探究を進めることで、多くの生徒に参加できるようにし、持続可能な教育計画を構築する。
活動の内容及び経過
源平の争乱である水島合戦や藤戸合戦という史跡巡りやプラネタリウムと連携した合戦の実体験、太平洋戦争の戦争遺跡である亀島山地下工場など地元の歴史遺産の活用、商店街の街歩きや水島コンビナートクルーズによる会場からの水島コンビナート企業紹介やカーボンニュートラルの取り組みなど、水島地域の魅力をPRする企画を考えた。5月から7月にかけて「ミズシマ・パークマネジメント・ラボ」と連携し水島商店街を巡検、また、水島コンビナート企業にカーボンニュートラルへの企業としての取り組みを調査を行った。こうした内容をツアーガイドの原稿を昨年より修正し、7月20日(土)にツアー1回目を実施した。1回目のツアーから改善点を見つけ出し、ツアー原稿や街歩きルートを修正・変更した。さらに、パンフレットもより見やすくアナウンスにあったものに内容を改善していき、11月16日(土)にツアー2回目を実施することができた。
活動の成果・効果
ツアー参加者は1回目24人、2回目34人であった。参加者アンケートによると96%が旅行内容に「大変満足した」と回答されていた。参加者からは「これまで知らなかった歴史やお店を知ることができて楽しかった」「高校生ガイドから多くのことを教えてもらえてよかった」など好意的な意見をいただいた。また、ツアー企画・実施した生徒たちも地域の方々と積極的に関わることができ、また観光の視点だけでなく、水島の歴史や重化学工業の現状、カーボンニュートラルなど環境保全などの側面からも探究を進めることができたことにより、地域課題の解決策を幅広い視野から考える経験と実践、多くの人と関わるコミュニケーション能力を発揮する経験を積むことができた。
今後の課題と問題点
課題・問題点としては以下の2点をあげることができる。1点目は、ツアー内容の広報である。今年度、史跡巡りの場所の追加、街歩きコース・内容の変更、コンビナートクルーズのアナウンス原稿の修正、パンフレットの改善などを行ったが、史跡巡りや街歩き、バスツアー&クルーズという企画の大枠は変わらないため、昨年度と同じ内容と思っていたというご意見をいただいた。実際に参加者が昨年度より減少したのはこの影響と思われる。2点目は、ツアーの時間設定である。今年度は9時〜16時で実施したが、「参加したいが午後都合が悪い」「午後だけなら行くことができる」など丸一日だと予定を合わせにくいというご意見をいただいた。ツアー参加者の拡充のためにも、適切なツアー時間の設定を考えていきたい。