演劇人材リスタートのためのプロジェクト企画公演
代表者:横部由莉 所在地:岡山市 設立年:2010年 メンバー数:4名 助成年度:2023年度 教育文化活動助成
活動の目的
岡山では、高校・大学の演劇部やワークショップ、公募型公演等で、絶えず演劇人材が生まれている。一方で、演劇活動を続けたいと思っていながら、仕事・結婚・出産・育児・介護・病気治療などの理由から活動を止めざるを得ない人がいる。その人たちを、地域の演劇文化における、潜在的資源とし、それぞれの事情や状況に応じて、参加を可能にする環境を整備して、活躍のフィールドづくりをするための演劇公演を実施する。そのために、潜在的資源の発掘と状況把握をし、活動しやすい環境とはどういうものなのかを調査する。また、育児等の理由で、観劇がしにくい環境にある人の観劇を促し、観劇を可能にするための制作・会場運営の実施をする。
活動の内容及び経過
- 4月:制作開始。公演企画者のネットワークの中から、潜在的資源である人たちと連絡を取り、今公演企画の趣旨を説明の上、参加者を募る。また、潜在的資源を支える、現在も演劇活動を継続している人の参加もお願いした。公演参加者は6名でスタートし、公演当日には12名となった。
- 5月:潜在的資源である人たちに、活動しやすい環境についてのアンケートを実施。潜在的資源と活動継続者の意見交換会の開催。
- 5~7月:稽古。演出家は岡山から東京へ移り住んでいたため、テレビ通話を稽古に導入。
- 7月29日(土)~30日(日)総社・旧堀和平邸にて「面影と祈り」公演実施。来場者数78名
- 8月:活動継続のためのアンケート実施。2回目の意見交換会の開催。
- 9月:活動総括。今公演での成果や見つかった課題等の話し合い。
活動の成果・効果
主要活動である演劇公演が実施できた。7月29日(土)~30日(日)の2日間で、舞台と客席の設営、本番4回の公演を実施。1回目27名、2回目25名、3回目17名、4回目9名の合計78名の来場者があった。来場目標達成率は65%である。当日は乳幼児を含む子連れ観劇を可能にし、合計3組の来場があり、育児中の方の観劇を実現した。公演の実施により、想定以上の協力者と出会えた。かねてより総社での演劇公演を希望していた総社市役所職員の方(学生時代に舞台の裏方経験あり)、会場である旧堀和平邸を中心とした地域の方々、総社近隣で活動している既知のプロの舞台従事者などである。稽古期間中には、稽古時間を長く確保して各々の状況に合わせた出入りを可能にした。リモート通信を利用した参加も可能にした。子どもを連れての稽古参加も可能にし、稽古場での子どもの見守りを実施した。これにより様々な条件を抱える人たちに対応しながら制作することができた。
今後の課題と問題点
潜在的資源の抱える条件は様々であり、一般的な対応策だけでは解決しきれず、個別対応が必要でかなり煩雑であった。メンバー同士で状況を把握できておらず、作業の割り振りや提案がしにくかったこともある。潜在的資源の人が望む公演への参加の度合いは、それぞれに差があり、明確に把握しておく必要もあった。各々のリテラシーを相互に認知し合い、活動継続者に適正な協力を求める仕組みが必要だ。今公演は、演劇専用の劇場ではなく、地域を象徴する場所を選んでの上演を目標とし、旧堀和平邸を会場とした。総社での新しい協力者との出会いはあったものの、旧堀和平邸を運営するNPO法人との関わりは少なく、さらなる連携を図って、働きかけをする必要を感じている。NPO法人が取り組んでいる旧堀和平邸の活用と、私たちの活動がさらに親和性を増すための協力関係を作ることができればよかったと思う。