高齢者と手話者と子どもたちが一緒になって創る新たな舞台
団体名:NPO法人企画on岡山
代表者:大塲真護 所在地:岡山市 設立年:2015年 メンバー数:23名 助成年度:2023年度 教育文化活動助成
代表者:大塲真護 所在地:岡山市 設立年:2015年 メンバー数:23名 助成年度:2023年度 教育文化活動助成
活動の目的
「⾼齢者」や「手話者」や「⼦どもたち」がホールで舞台を楽しむ催しがこの地で僅かで、かつ一緒になって創作する機会はない。その場を設けるとともに、社会的には弱者といわれる⼈々が、舞台表現の世界では優れた表現者となるという反転が生じることを実現し、多くの人がそれを目撃する場を定期的に設ける。それが可能になるために「地域で、市民が、チームを組み、公共施設を拠点にして、毎年決まった期間、中規模な企てを立ち上げる」といった方法の確立していく。得てして同じ境遇の仲間同士での表現に陥りやすい地域の現状に風穴を開け、様々な方が交流しながら一つの舞台を創るーホールを原っぱにしてあそぶーことが当たり前になっていく社会となることを目的に置いている。
活動の内容及び経過
6月から募集を開始し、高齢者「耳順の会」6名、手話者「扌の会」5名と子ども「原っぱの会」11名となる。三つの会が合同で8月3日(土)にミニ公演「注文の多い料理店」(原作:宮澤賢治、25分)を、朗読+手話+影絵で西川アイプラザにて実施する(演出:国末武ピアノ:岸本枝里子)。10月三つの会が集まり、「銀河鉄道の夜」(原作:宮澤賢治、脚色:大戸彰三)を手話劇団「夢二」との合同公演で「星めぐり図鑑」として公演することになる。台本が12月に完成し、「扌の会」は準備に入る。1月31日には、演出家の国末さんとの打ち合わせを行う。「原っぱの会」は、2月より影絵づくりと歌の練習を3日間、「耳順の会」は数日練習をし、20日(水)には子どもを除いた合同稽古を行う。22日(金)には、全員が揃いリハーサルを行う。23日(土)はそれぞれが手直しをして、24日(日)の11時から通しを、14時から41名による80分の公演を実施する。観客は90名。
活動の成果・効果
- 社会的には弱者といわれる⼈々が、舞台表現の世界では優れた表現者となるという反転が生じることが「注文の多い料理店」と「星めぐり図鑑」であきらかになった。アンケートよりーとても素晴らしい舞台で「銀河鉄道の夜」の世界に浸ることができました。影絵や最後の灯の綺麗な演出、みなさんの手話・声・ピアノの音、迫力がありとてもよかったです。ありがとうございました。ー
- 名作(特に宮澤賢治)がこの地ではあまり上演されないが、様々な方々、様々な表現手法が融合され化学反応をしていけば名作の世界を堪能することができる。名作は人の心の奥深くまで入っていく。
- 短い期間でも、台本や演出や照明を担った方々が長年培った知恵を活かして下ごしらえをして行えば可能である。その方が新鮮であり、特に最後に子どもが加わってくれば、その圧倒的なエネルギーは大人を巻き込み、観客を魅了する。
今後の課題と問題点
- 手話者(ろうあ者)を含めた障害者の方々の中で「舞台表現にかかわり楽しみたい」と思っている方々がいらっしゃると思うが、そこに繋がることが困難である。市の担当課に行けば「連絡会」を紹介され、西大寺の連絡会事務局に足を運んでみたが、戴いた名刺にはメール番号が記されていない。隣の市の連絡会に電話してみれば「個人情報から名簿がない」と「自身も含めて高齢化」で周知が難しいとのこと。
- 「地域で、市民が、チームを組み~」といった方法を共有することが難しい。この方法はまず「鍋」を協力して作るところから始めー鍋を作るのに必要な要素を揃えていくーその後いろいろな鍋料理を楽しむといったやり方である。鍋料理の方が一緒に準備しながら、長い時間、様々な方ー高齢者や手話者や子どもたちーと楽しめるのは明白なのだが、「鍋」に目を向けその構造(システム)にエネルギーを注ぐ人にはあまり出会わない。