岡山弁のアーカイブは、初めての取り組みであり今後の展開が楽しみ

団体名:岡山弁協会
代表者:石田敏之 所在地:岡山市 設立年:2009年 メンバー数:90名
助成年度:2022年度 教育文化活動助成
  • NHK大阪放送局表敬訪問(R4.6.1)
  • カムカム岡山弁かふぇ(R4.9.4)
  • 岡山弁トランプで遊ぼう(R5.3.19)
  • 岡山弁の集い(R4.5.28)

活動の目的

岡山弁協会は、岡⼭地⽅の⽣活のことばであり伝統⽂化のひとつである岡⼭弁を愛し、これを普及しようとしている⼈たちの拠り所として設⽴し、岡⼭弁を⽤いた地域活動を推進し、相互の交流を図ることを⽬的に活動している。
デジタル新時代へ突入して、地域コミュニティーは希薄化している。方言は、地域コミュニティーで重要な役割を持っていると思うが、使い手が減っている。少子高齢化、核家族化で親から子、子から孫へ方言文化の伝承ができていない状況である。
そこで考えたことが、「岡山弁かるた」をデジタル化し、ホームページやSNSを活用してZ世代へ発信することである。方言はことばなので、印刷物である「岡山弁かるた」では、イントネーションが分からない。普段使いの岡山弁を音声データ化して、方言文化の伝承を図ることが目的である。

活動の内容及び経過

活動のきっかけは、カムカムエヴリバディなのである。役員3人と岡山ことばを指導された高野暢子さんで、NHK大阪放送局を表敬訪問し、感謝状を贈呈した。もちろん岡山弁によるもの。
「岡山弁かるた」は、平成15年の岡山弁大会のとき、子どもたちへ方言文化を伝承しようと制作したものである。生活指導の意も込めている。読札は、当協会の主演女優(岡山弁劇)が務めた。絵札は、障害者の就労支援を行っている「ありがとうファーム」へ依頼し、みんなが楽しめるものを描いてもらった。音声やイラストのデジタル化は、専門家に依頼した。完成したものが、次のURLのホームページである。
https://www.ashitari.com(「あしたり」は、当協会誌のタイトルで、明日という意味)

活動の成果・効果

公式ホームページ「あしたり」の公開が、令和5年3月25日になったことで、年度末までのアクセスは、少ないと思うが、完成度はシンプル・イズ・ベストになったと自負する。
コロナ禍で、リアルコミュニケーションからバーチャルコミュニケーションへと変化し、オンラインの利活用が増えた。子どもたちもデジタルに慣れてきた。
アナログの「岡山弁かるた」をデジタル化することで、オンライン上で楽しめることはもちろん、リアルな場でも前年度作った大きめの「岡山弁かるた」を使えば、老若男女が対戦することもできる。三世代交流で方言文化の伝承が図れ、未来へ紡いでいけたらと思う。

今後の課題と問題点

岡山弁協会の前身は、建部町文化センターの市民活動から始まっており、建部町が岡山市に合併したことで、行っていた活動を引き継ぐ形で協会を設立した。メインとなっていた「岡山弁はええもんじゃ~ことばの祭り・建部~」は、新型コロナウイルスの影響で開催を中断することとなり、再開の兆しが見えてきたときに協議を重ねたところ、担い手の高齢化と後継者不足が影響し、今も再開の目処が立っていない状況である。
このような中で、「カムカムエヴリバディ」という強い味方が現れ、岡山弁大会の特別編やオンラインの活動を行ってきたが、これも正直一部の者でしか対応できない状況となっている。ツールは整ってきたものの、デジタル新時代に向けた活動に暗雲が漂っている。

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