ふるさとは踊る−⽟島の今昔を聞き書き・写真・ダンス動画で発信−

団体名:玉島ARTプロジェクト(たまプロ)
代表者:黒川しのぶ 所在地:倉敷市 設立年:2021年 メンバー数:8名
助成年度:2022年度 教育文化活動助成
  • Instagram 「タマトーーク!」
  • WEBサイト 「 ふるさとは踊る- The town is dancing - 」
  • コンテンポラリーダンス動画の発信
  • 玉島幼稚園のダンスワークショップ

活動の目的

かつては様々な産業が栄え賑わいをみせた倉敷市⽟島地区も、近年は若者が流出し⾼齢化が進み、使い⼿のなくなった建物は解体や建て直しがされ、街の景⾊が刻々と変わっている。建物や風景に馴染みのある⼈にとって、今も変わらない場所や建物は、かつての記憶がよみがえり、ふるさとへの深い郷愁に駆られる価値のある存在である。そして無くなって初めて、在りし⽇の姿がよりいとおしく感じられる。
街の変化をとめることはできないが、その変化を人々の記憶に残すことはできる。失いつつある昔の建物や⼈々の記憶を多⾯的に掘り起こすことで、無形の豊かな時間や⽟島の⾵⼟⽂化を多様な⼈と分け合う機会をつくる。そして玉島の「今」を記録しメディアで発信することで、地域の魅⼒を多くの人と共有する。

活動の内容及び経過

活動のベースとなるWEBサイト「ふるさとは踊る-Thetownisdancing-」と、玉島の魅力を発信するInstagram「タマトーーク!」を立ち上げた。WEBサイトは、地図上に撮影した動画をアーカイブしていく機能を持たせた。またInstagramをリンクさせ、玉島ARTプロジェクトの活動を集約するものとした。
WEBサイトでは、玉島をリサーチし創作したコンテンポラリーダンスや、玉島幼稚園の園児と行ったダンスワークショップ、商店街のアートスペースで行われたイベントなどを動画で発信している。Instagramでは、古写真をもとに、⽟島に⻑く住んでいる人に⾼校⽣が話を聞き、まとめた内容を写真と一緒に発信している。
幼稚園でのダンスワークショップの延期や、「タマトーーク!」の活動スタート時期が大幅に遅れるなど、コロナウイルスの影響を多大に受けたが、年度内に2つのメディアを立ち上げることができた。

活動の成果・効果

活動を多世代に拡げることを念頭においているため、これまでの実績が全くない中、高校生が参加してくれたことは大きな成果であった。店舗や市場など、その場所は知っていても、その歴史や関わってきた人の営みまでは知り得ず、これまで知らなかった側面を共有することができた。
また幼稚園での活動を加えたことで、園児を通じて保護者へも玉島ARTプロジェクトの名前を知ってもらうことができた。活動前から玉島テレビ放送に取材依頼をしていたことで、高校生や幼稚園児との活動の様子が放送され、地域での理解者も増えてきた。
立ち上げ当初、本活動を口で説明するのが難しかったため、メディアを立ち上げたことは大きい。今後、活動メンバーを拡げていく際に理解が早いと考えている。発信の仕方にコンテンポラリーダンスを取り入れたことも本プロジェクトの特徴で、アート×地域の視点で繋がっていく層も地域内外に一定数いると考えている。

今後の課題と問題点

ほぼゼロベースでプロジェクトを始めたため、初年度はまず活動を知ってもらうツールをつくるべく、メディアを立ち上げることで精一杯であった。地域の人は協力的であるが、多くの人は活動の趣旨を理解するまでは至っていない。また地域外の人にも活動に注⽬してもらうためには、各々の中身のクオリティを上げながらコンテンツを増やしていく必要がある。
WEBサイト「ふるさとは踊る-Thetownisdancing-」は、現状アップロードしている作品とは違う視点で地域をリサーチし、歴史・文化の掘り起こしや作品と地域の関連する部分についてブラッシュアップしたい。
Instagram「タマトーーク!」は、誰にどんなことを伝えたいのか、どのような内容ならもっと読みたくなるのか、今後どんな人に話を聞いていくのかなど、文章へ書き起こしていく前に、メディアの目的をメンバーで整理・共有するべきであると考えている。

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