桃太郎サミット2022 in 美咲による文化の伝承と地域の活性化

団体名:美咲桃太郎の会
代表者:河村勝司 所在地:美咲町 設立年:2015年 メンバー数:11名
助成年度:2022年度 教育文化活動助成

活動の目的

各地に伝わる桃太郎話は、先人たちが不作や災害など厳しい状況を乗り越えるための知恵であり、まさに先人のむら活性化策であり、本事業は、現在のコロナ禍での閉塞感を打破するイベントとした。美咲町に伝えられている伝説「美咲桃太郎」は、中央町誌編さんの過程で、昭和3年発刊の「三保村誌」にその記述が発見され、語り継がれるようになった。全国29ある桃太郎伝説地のなかでも、猿・鳥・犬にちなんだ地名(鬼山・猿ヶ城・鳥ヶ﨏・犬ヶ鼻・焼寺・退治山・勝﨏・祝詞)が比較的狭いエリアに集中しているところは他にない。本大会では、全国の桃太郎関係者との交流を図りながら、地域住民が桃太郎話を学習し、その特性やおもしろさを活かした自主的な活動を実践する場とした。地域住民が「桃太郎や鬼がいた美咲町が好き」「美咲町に住んでよかった」と感じ、文化の伝承、地域の活性、にぎわい創設、産業振興へつなげる目的とした。

活動の内容及び経過

2022年3月21日、大会組織設立総会を開催し、実行委員会を立ち上げた。
10月29日、30日の「第19回桃太郎サミット2022in美咲」に向け、関連イベントを多数開催。
いぬ、キジ・さると棚田をめぐるバスツアーでは、美咲町に残る桃太郎にまつわるゆかりの地をめぐった。そこには、桃太郎ゆかりの地名が、比較的狭いエリアに点在しているのが特徴で、地名のいわれや背景の説明を受けた。この他、郷土に伝わる「百々人形」の桃太郎バージョンを作成するワークショップや、町が主催する生涯学習講座での講演、桃太郎をイメージして長巻紙に墨絵を描く「桃太郎の大冒険」など多くの関連行事を開催。機運醸成のためのイベントには町内外から多くの参加があり、美咲の桃太郎を広める一端となった。そして迎えた大会当日では、県内外から関係の桃太郎団体7団体を始め、各地域で活動されているむかし話を語る会や一般多くの参加者により、盛会に開催された。

活動の成果・効果

美咲桃太郎の会をはじめ、多くの方が事業の企画運営に参加することで、コロナ禍で閉塞的だったコミュニティを活発なものへと変えていった。また、地元企業を中心に声掛けを行ったところ、町内外企業33社から協賛の申し出があり、支援金など多くの協力、応援をいただき、地域とともに活動を進めることができた。「元祖美咲桃太郎伝説」の特性やおもしろさを活かした活動や事業等、桃太郎事業の企画を通じ、美咲町の郷土の魅力を多くの方々が感じることができ、文化の継承ができた。
美咲町で桃太郎サミットが開催されることを受け、民間団体主催によるマルシェも企画され、町内外より多くの方が美咲町に来町され、広域にわたる賑わいの創出にも繋がった。
今回の活動を通して、今後、地域住民や桃太郎を活用した自主活動組織などが地域の活性化、賑わい創出、産業振興に展開していくことが期待できた。

今後の課題と問題点

今年度開催した、第19回桃太郎サミット2022in美咲をはじめとする関連事業は「文化の伝承と地域の活性化」を目的として開催し、大きな成果を得ることができた。全国桃太郎関連団体と行った、事業報告会、情報交換では、普段できない交流や人脈もでき、より良い機会となった。
今後は、本大会を契機に更に町内外へ美咲の桃太郎について発信する機会を作りたい。
美咲桃太郎の会は平成27年に結成され、平成30年に日本桃太郎の会の仲間入りを果たした。会員数はまだ少なく、年齢も高齢化しており、会の活性化と「美咲桃太郎伝説」を普及啓発するためにも、会員を増やして活動を広げていきたい。

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