全国巡回「18トリソミーの子どもたち写真展」岡山県初開催

団体名:HOME18岡山
代表者:木多希子 所在地:岡山市 設立年:2019年 メンバー数:11名
助成年度:2021年度 教育文化活動助成
  • 18トリソミーの子どもたち写真展 @ヨノナカ実習室
  • 写真展&「愛生ヲ読ム会」&植樹 @喫茶さざなみハウス(長島愛生園)
  • 写真展&映画『うまれる』『ずっと、いっしょ。』上映会@北長瀬未来ふれあい総合公園 みはらしプラザ1階
  • 写真展&映画『うまれる』『ずっと、いっしょ。』上映会 @みはらしプラザ2階ハッシュタグ岡山別館

活動の目的

「HOME18岡山」は、当事者、つまり18トリソミー(※1)や13トリソミーの診断を受けたお子さんとファミリー、プレファミリー(妊娠中の方)、子を亡くしたファミリー(流産・死産の方を含む)の思いに耳を傾け、当事者家族間、医療・福祉の現場、地域社会との橋渡しをすることを目指している。
当事者や関係者だけでなく、地域社会で暮らすいろいろな人に、「18っこ」「13っこ」(※2)や広義の「医療的ケア児」、「亡くなった子」、「その家族」について、まずは周知し関心を持っていただくことが、「多様な人が暮らしやすい社会作り」につながると考えている。
※1通常は2本である18番染色体が3本1組のトリソミー(三染色体性)になることで起こる先天異常症候群。21番染色体が3本の21トリソミー(ダウン症候群)が有名。出生児3500〜8500人に一人の頻度で見られる。様々な合併症など全身の症状があり医療の助けなく長期生存することが難しいため、治療方針の判断が難しく、家族を含め関わる全ての人に「生きる」ことについて考えさせる疾患と言える。
※2「18トリソミー」や「13トリソミー」にもいろいろあり、トリソミーだけでなくモノソミーやフル、モザイクなど、多様な方への親愛の情を込めたこのような呼び方がある。

活動の内容及び経過

■2月28日〜3月6日「18トリソミーの子どもたち写真展」(主催:「Team18」共催:「HOME18岡山」&「ヨノナカ実習室」助成:「福武教育文化振興財団」協力:「清心中学校清心女子高等学校」全国を巡回している写真展)を、岡山県で初めて誘致し、ボランティアスタッフの協力を得て全日程を予定通り開催することができた。
□2月28日・3月1日:「ヨノナカ実習室」にて写真パネル展示。
□2月28日〜3月4日:「チョウタラの樹」にて写真パネル展示。
□3月2日・3日:「HASPALIハナレKIDS」にて写真パネル展示と映画『うまれる』・『ずっと、いっしょ。』の上映会。
□3月3日・4日:「喫茶さざなみハウス」にて写真パネル展示とワークショップ「愛生磯部昭介ヲ読ム会」、松の木の植樹会。
□3月5日:「北長瀬未来ふれあい総合公園みはらしプラザ1階」(※3)にて写真パネルの展示と同映画、「HOME18岡山」紹介動画、全写真パネルのスライドショーの上映会。
□3月6日:「みはらしプラザ2階ハッシュタグ岡山別館」にて写真パネルの展示と同上映会。
□メンバーや協力者に、会の紹介動画の作成や写真展の記録を依頼。
○メンバーや協力者はブログや口コミ、チラシの配布・掲示(病院や福祉事務所、保育園など)にて随時募集。
○当事者間の情報交換はSNSグループにて随時実施。
※3開催時は「岡山西部総合公園(仮称)管理棟」だったが、翌月、名称が「北長瀬未来ふれあい総合公園みはらしプラザ」に決定した。

活動の成果・効果

来場者の感想の一部を紹介する。
「一枚一枚とても良い表情で、命の輝きを感じた。」「ぼくは、お母さんに写真展に行こうと言われて初めて18トリソミーということばを知りました。写真展を見ると、どれも笑ったりしていて楽しそうな写真がいっぱいありました。お父さんとお母さんのメッセージには心を打たれました。」「かけがえのない時間を過ごしてきたこと、お別れの時の悲しみも、頑張ってきた日々も、大切な一瞬一瞬だと思う。全ての子どもの、全てのお母さん、お父さんの、これからのしあわせを願う。」「看護学生にも伝えます。なんと愛しいことかと感激しました。」……
1週間の会期中、県内6会場への来場者数は延べ約200名。26名のボランティアスタッフもほぼ全員が18っこと初対面であったことから、「地域社会との橋渡し」「いろいろな方に周知し関心を持っていただく」という目的を果たす効果が十分にあったと考える。

今後の課題と問題点

主催者が全国規模なので岡山での開催時期の調整が難しいこと、またコロナ禍であること以前に基礎疾患を持つ当事者のための徹底した感染症対策が必要であること、会場費や展示のためのレンタル料金が高額であること、ボランティアスタッフの確保の難しさなど、会を持続させるための課題は山積である。

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