エディブル教育に関心のある農家、教員、学生などが新たな教育メソッドについて検討
代表者:田辺綾子 所在地:倉敷市 設立年:2021年 メンバー数:6名 助成年度:2021年度 教育文化活動助成
活動の目的
2020年から新たにスタートした新学習指導要領。ここで見直されている基本理念『生きる力』は、社会の変化が激しく変わり、未来予測が困難な時代の中で、子ども自身が習得した知識や技術を既存の知識と有機的に関連付け、思考力、判断力、表現力を養うことを目指している。
一方、学校現場は、様々な校務に追われ疲弊していることから、新たな授業改革に手が回っていないのが現状。外部サポーターによる地域・学校連携の推進が益々求められている今、地域と学校が連携できることは何かを考える時、画期的なメソッドとして全米5000校以上の学校で正規の授業として取り入れられているエディブル教育にヒントを得て、その普及に取り組む。
活動の内容及び経過
2日間の勉強会の開催。1日目は室内での座学、2日目は実際に菜園で模擬授業体験を通じたフィールドワークを行った。
①1日目<座学>
菜園の基本条件であるオーガニックガーデンの社会的背景を学び、エディブル教育の広がり、岡山県内での実践報告、と段階的に具体的な手法へと進みながらの座学と、グループディスカッションを行った。
②2日目<フィールドワーク/模擬授業体験>
1日目の学びで得た概念を実際のオーガニックガーデンで実践に落とし込む。参加者は小学2年生になった想定で授業を行い、五感を駆使したアクティブラーニングを体験した。模擬授業終了後、ここでもグループディスカッション→全体ディスカッションを行い、熱心に議論が交わされた。
活動の成果・効果
事後の参加者アンケートでは、5段階による満足度の中で77.8%が最大である5を、残る22.2%が4を選択し、全員が満足したと回答。愛知県、愛媛県、大阪府では、実際にエディブル教育に取り組む動きを始めるとの報告が来ている。また当研究会でも、大学1件、公立中学校2件、公立小学校1件からの問い合わせが来ており、普及が確実に広がっている。また、参加者同士の温かなつながりが生まれ、継続的な学びのコミュニティーを求める声も届いているため、次回企画を検討中。
今後の課題と問題点
課題①エディブル教育が従来の「食育」や、「農業体験」と同一と捉えられる場面はまだまだ多く、教科学習に紐づけられ更に教科横断も可能になる画期的なカリキュラムデザインになっていることが知られていない。一度体験や見学をすれば直感的に理解を得られるが、その機会を設ける場も回数もまだ足りないといえる。
課題②ひとたびエディブル教育に触れた人は、自分の地域・学校へ取り入れたいと希望するものの、エデュケーターとなる人材が足りていない。農業、植物、生態系、食といった多分野を横断する知識を持ち、学校という聖域の両領域を柔軟に行き来できる、且つ、子どもをファシリテートできる人材の育成が急がれる。