多文化共生社会ための地域の子どもと在留外国人の交流プログラム
代表者:山田麻紀 所在地:奈義町 設立年:2018年 メンバー数:5名 助成年度:2021年度 教育文化活動助成
活動の目的
子どもたちが在住外国人と交流し、彼らの日本での生活を理解することを目的とした活動をした。Nagi国際交流ネットワークは、異なる互いの文化や習慣を認め合える多文化共生の社会を目指す活動をすすめている。申請活動では、主に奈義町の子どもたちと岡山県北在住外国人と交流し、彼らの日本での生活を理解することを目的とした交流活動を実施した。
活動の内容及び経過
⑴YOUは何しに岡山へ
県内在住外国人が母国紹介や日本滞在の中での学びや発見、苦労などを参加者と共有。各国に関連する文化体験ワークショップも開き、各国文化について理解を深めた。
- 2021年7月10日第1回オーストラリア&ベトナム(参加者19名:子ども11名、大人8名)
- 2021年10月23日第2回中国(参加者14名:子ども8名、大人6名)
⑵異文化交流日帰りキャンプinNagi
小中学校で実施したアンケートで、子どもたちが「言語」「スポーツ」「食べ物」を通して異文化交流をしたいと回答。キャンプでは、異学年グループで「言語」「食べ物」を通じた交流を実施。
- 2021年8月2日交流キャンプ(外国人講師7名、参加者:子ども15名)
- 2022年3月28日交流キャンプ(外国人講師6名、参加者:子ども17名)
⑶その他
- 2021年10月20日ベトナムおやつの会(参加者:大人5名)
- 2021年6月26日〜7月11日世界の写真展「しゃしんdeトラベル」
- 2022年2月予定の多文化共生ワークショップは未実施
活動の成果・効果
⑴子どもへのアプローチ
プログラムの内容を子ども対象の活動にしたことで、2021年度は延べ約50名の子どもが参加。(2020年度は5名程度)毎回参加する子どももいた。
⑵在住外国人へのアプローチ
近隣市町村の在住外国人になるべく継続して参加してもらうために、活動の目的を理解した上で、8名の在住外国人と新たなつながりをもって協力してもらうことができた。また、参加者だけでなく私たち自身も、彼ら自身の理解につながり、彼らを活かしたプログラムを考えることができた。
⑶連携グループの発掘
他地域のグループや町教育委員会から、プログラムづくりの依頼があった。
⑷参加者からの感想
「交流を通じて、外国人のイメージが変わった」「教科書で習ったものと違う視点のものがたくさんある」「人種や国籍が違っても、コミュニケーションをしっかりとることで楽しく過ごせる」「日本で暮らす外国人の日本での生活のことが知れてよかった。もっといろんな人と関わって、いろんな人の気持ちを理解したい」という感想が聞かれた。また、国籍や文化、宗教、立場が異なる人々が、互いの違いを認め合い、地域社会の仲間として生きていくために、「相手を理解しようとする気持ちをもって、受け入れることが大切」「交流を通じて、自分たちがもっている偏見やイメージを変え、お互いのことを知ることができるので、この活動をもっと学校などでもするべきだと思う」という感想が聞かれた。参加した留学生からは、「岡山で生活する社会人の外国人と交流する機会は少ないので、今回一緒に活動できて日本で働くイメージができた」や、保護者からは、「ぜひまたこのような交流会を企画してほしい」「様々な背景をもつ人やいろいろな文化に触れる機会がとてもありがたい」という感想が聞かれた。
子どもたちが、県内在住外国人との交流を通じて、「異」を楽しみ、「異」を認め、「異」を受け入れようとする素地ができたようにみえる。地域の子どもたちが、在住外国人や様々な年代の人と交流し、多様な文化や習慣の違いを理解することで、異文化に興味をもつだけでなく、異なる文化背景をもつ人を理解しようとする気持ちが育ち、多文化共生の社会づくりにつながると考える。
今後の課題と問題点
⑴技能実習生との関わり
奈義町内在住の外国人は技能実習生が多数を占めるため、彼らと関わる機会をもちたかったが、彼らとつながりをもつことができなかった。子どもたちは、「技能実習生=こわい」というイメージがあり、そのイメージを払拭するため、彼らと接点をもつ機会をつくりたい。
⑵テーマ「多文化共生」への深堀
非常に多岐に渡るテーマである「多文化共生」に対して深く掘り下げることができなかった。今後は、「楽しい」にとどまらず、深く掘り下げる時間をもちたい。
⑶アウトプットの場の設定
参加者にはしおりを用意し、個人のふりかえりは書かせたが、それを全体でシェアする場がなかった。