岡山弁かるたを三世代で楽しむことで方言文化を伝承していく
代表者:石田敏之 所在地:岡山市 設立年:2009年 メンバー数:88名 助成年度:2021年度 教育文化活動助成
活動の目的
本会は、岡山地方の生活ことばであり伝統文化のひとつである岡山弁を愛し、これを普及しようとしている人たちの拠り所として設立し、岡山弁を用いた地域活動を推進し、相互の交流を図ることを目的に活動しています。
設立以降、人と人との結びつきを深め、それぞれの地域文化を認め合う「方言」の重要性を改めて認識し、岡山弁を題材とした活動を行っていますが、少子高齢化、核家族化によって、親から子、子から孫へ方言文化の伝承が出来ていない状況にあります。この状況は、コロナ禍で更に進んでいるので、何とか「方言」によって三世代交流を促進していきたいと思います。デジタル新時代に突入し、方言そのものが消滅しようとしていますが、これを何とかしたいと思います。
活動の内容及び経過
一般的なかるたより少し大きめA5サイズの岡山弁かるた2種(こども編・川柳編)を5月に制作しましたが、当初予定の6月「岡山弁の集い(総会)」、8月夏休みの「こどもかるた大会」は、何れもコロナ禍で中止しました。
10月以降に新規感染者が減少したことで、12月11日(土)にこどもかるた・川柳かるたを同時に行う三世代交流「岡山弁かるた大会」を開催しました。参加者は、こども4人+おとな6人+協会9人=19人という少数ではありましたが、和気藹々と楽しむことができました。かるたに書いてある岡山弁の意味などを、協会役員が解説すると、こどもたちはもちろん、シニア世代もビックリなんて岡山弁も飛び出していました。対面で取り合う従来のかるた大会とは異なり、2セットの絵札を並列で取り合う方式を採用したので、安心安全に行えました。
活動の成果・効果
方言は、地域文化そのものです。方言伝承のツールがこの「岡山弁かるた」です。
「こどもかるた」は、日常の道徳的なことを、岡山弁の会話でこどもたちへ伝えていくものです。これをこどもたちが遊び楽しみながら行ったので、方言文化の伝承だけでなく、希薄した地域コミュニティーの活性化が少しではありますが図られたと思います。三世代交流が促進され、サザエさん的コミュニティーの形成に結びついたと確信します。
「川柳かるた」は、かなりマニアックな岡山弁も盛り込まれているので、シニア世代は昔を懐かしむ情緒豊かな会となりました。今後は、建部地域から備前・備中・美作のエリアへと展開していくことで、岡山弁かるたによる「方言文化」の輪が広がるものと思います。
今後の課題と問題点
新型コロナウイルスによる新しい生活様式の実践、また、デジタル新時代への突入で、地域コミュニティーは更に希薄化していくことと思います。
「方言」は、地域コミュニティーにおいて、要的な役割を持っていると思いますが、方言の使い手が減っています。普段の会話は、マスメディアの影響で標準語であったり流行語であったりです。
「岡山弁かるた」は、コロナ禍でも出前講座ができるように、学校の教室や体育館、また、会議室や大広間、ホールといった会場で行うことを想定して、少し大きめのものを作ったのですが、現実としては学校で岡山弁かるたによる出前講座を実施することは、まだまだハードルが高かったようです。
どのような環境でも対応できる「岡山弁かるた」の開発が必要と痛感しました。