発達障害と呼ばれる特性を有する児童を対象に演劇やものづくりのワークショップを実施

団体名:特定非営利活動法人 未来・みまさか
代表者:西川貴章 所在地:美作市 設立年:2018年 メンバー数:12名
助成年度:2020年度 教育文化活動助成
  • 演劇WS/言葉のイメージで動作する
  • 演劇WS/相手と動きを合わせる
  • 演劇WS/お話を作って組み合わせる
  • 木工WS/製作風景

活動の目的

発達障害と呼ばれる特性を有する子どもたちが抱える課題は個々人の状態に応じて千差万別ですが、ほとんどすべての子ども達に共通の課題として、自己肯定感やコミュニケーション能力の低さへの懸念があります。
そこで、他者と関わる力や、自分の思想や感情をかたちとして世界に生み出す力を養うことができ、また、「正解のない」行為ゆえに肯定的な評価を得ることができ、自己肯定感を育てることが期待される演劇やアート・ものづくりの活動を通じて、子どもたちの成長の機会を提供することを目的とします。

活動の内容及び経過

演劇ワークショップには、「Oibokkeshi」の活動を通じて介護に演劇的な要素を取り入れることに取り組んでいる菅原直樹さんと申瑞季さんを講師に迎え、おおむね月1回のペースで想像力やコミュニケーションをテーマとしたゲームを行いました。また、ものづくりワークショップとして夏休みに週一回程度のペースで木工工房に通い、自分好みの装飾を施した鉛筆立てを作りました。

活動の成果・効果

演劇ワークショップにおいては、どのようなゲームでも常に他者に何かを伝える・渡すという行為があり、またそこには常に何かをイメージして表現する心の動きが求められます。子どもたちそれぞれのゲームへの関わり方は多様ですが、さまざまなゲームを通じて表現する楽しさや認められる喜びを感じたことにより、コミュニケーション能力の向上に一定の効果があったものと感じています。また、講師やスタッフもゲームや遊びを通して子どもたちの感性や想像力に対する新たな気づきが得られる重要な機会ともなりました。
木工ワークショップにおいては、鉛筆立てという決まった形ながら、装飾や組み立てるプロセスなどさまざまな場面で子どもたちそれぞれが自ら考え、試み、時には失敗しながら、自分だけの作品を納得いくまで作り上げることができたことが、自信=自己肯定へとつながる機会になったものと考えています。

今後の課題と問題点

2020年度は、新型コロナウィルスの感染防止のため、計画していた一般の参加を募っての演劇ワークショップを開催できませんでした。当初の目的としては、当事業所の子どもたちだけでは人数も限られており、また事業所スタッフや講師だけとの固定化した交流を脱し、同年代の子どもたちや近隣の高校生、一般の方など幅広い層の人々と交流することが子どもたちに良い影響を与えることを期待していただけに、残念でした。今後はこのような制約が続くことを念頭に置きながら、もう少し参加の幅を広げていきたいと考えています。

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