高校生の地形ジオラマを作った防災学習と地域住民との学び合い

団体名:環境学習を通じた人材育成・まちづくりを考える協議会
代表者:中平徹也 所在地:倉敷市 設立年:2013年 メンバー数:10名
助成年度:2020年度 教育文化活動助成
  • 地域の方に発表する倉敷古城池高校生
  • ジオラマをもとに話し合う参加者
  • 対話のルール
  • 高校生と地域の方との対話の時間

活動の目的


活動の内容及び経過

高校生が主体的に考え行動できる力を育むため、岡山県立倉敷古城池高校生物園芸部・科学部が学校の周辺環境の地形ジオラマづくりに取り組んだ。3月から試作を始め、6月には岡山大学の研究者の助言で大筋の方向性を固め作業を重ね、10月に完成させた。
2020年10月17日(土)、地域住民の方と学び合う「高校生と一緒に考えよう私たちのまちの防災」を新型コロナウィルス感染対策をした上、倉敷市福田公民館で開催した。倉敷古城池高校生7名、大人32名、多世代が集まった。土砂崩れなどが起こりやすい箇所等、危険性についてジオラマをもとに検討したことを高校生が発表した。また「備蓄食材を使った“カンパンスイーツ”づくり」の報告では防災意識が低くならない工夫を提案した。年代を越えて防災・減災に普段思っていることを対話形式で話し合い、「私の宣言」を書き発表した。
その後、生物園芸部・科学部の高校生は種松山を訪ね、ジオラマ作成箇所を実際に見て確認した。この様子をみずしまスタイル10号に執筆し、地域へ情報発信した。

活動の成果・効果

助言いただいた岡山大学地域総合研究センター前田芳男先生から、地域を俯瞰して全体を把握することの大事さ、ジオラマを自分の手で作り出すことで、脳と身体で地勢や地域がわかってくる感覚があることの指摘があり、高校生にとって多くの学びがあった。
今回実施した、高校生が主体的に研究した内容を地域で発表し、互いに学び合うという方法は、若い世代にも地域住民にとっても良いことがわかった。高校生にとっては自分の探究学習で地域の人が喜んでいる様子を知り自信につながること、担当の先生からは、防災・減災のテーマの地域学習は分野横断的な学びで進路選択を考える上でよいとの意見を頂くことができ、高校生の成長を地域で支える事にもつながっていることがわかった。
これまで地域で行う防災訓練には若年層の参加が少ないという課題に対して、新しい防災の学び合いの方法を提示することができた。

今後の課題と問題点

ジオラマづくりは実際に手を使って考えていくため、地域を俯瞰して全体を把握する力につながると専門家から助言があった。今回実際に実施した高校生だけがそれを知っている状況であると、卒業してしまうと分からなくなってしまうという問題がある。その方法について、後輩に伝えたり、他校の生徒に広げることが課題である。
今回は種松山のジオラマを作成したが、持続可能な地域づくりを考えていくうえでは、もう少し広く全体を把握する必要がある。

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