人と文化が交流するまち「活弁士によるサイレント映画上映会」

団体名:大谷archive
代表者:金光英子 所在地:浅口市 設立年:2019年 メンバー数:12名
助成年度:2020年度 教育文化活動助成
  • 7/12「映画と地域の歴史講演会」
  • 11/14活弁士による無声映画上映会
  • 11/14活弁士による無声映画上映会

活動の目的

門前町の金光町大谷地区は、歴史や風情溢れる町並み、景観を有し、地区内の金光図書館には、貴重な文化・歴史資源が多く保存されている。これらと地域住民とをつなげ、地域に対する誇りや愛郷心を育むことを通じて、金光町大谷地区が「人と文化・芸術が交流する拠点」となることを目指し活動してきた。地域で暮らす住民が、気軽かつ日常的に、地域に存在する貴重な文化・芸術資源に触れることにより、心の豊かさや新しい価値の創造を生み出す力を養うことを通じて、地域住民の日々の暮らしの豊かさ、さらには大谷地区の魅力を発信することによる交流人口の拡大や賑わい創出にもつなげていきたいと考える。

活動の内容及び経過

2018年に金光図書館において大正13年制作の無声映画フイルムが発見された。その後、これのデジタル処理を行い、その復活上映に向けた取り組みとして2020年7月12日に「大谷文化歴史講演会『映画の歴史と「性は善」再発見』」、同年11月14日に活弁士による無声映画上映会『性は善』を開催した。また、コロナ禍の中、当日参加できない人のためにYouTubeでの配信を行った。これらのイベントでは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、参加対象者・人数を制限せざるを得なかったが、いずれも多くの地域住民参加のもと開催でき、地域住民自らが暮らすまちの歴史・文化に触れることができた。また一つの映画フイルム発見から上映会開催までの過程で、多くの人々の繋がりによって一つ一つ活動の形となった。

活動の成果・効果

これらの活動を通して、地域住民自らが住む町の歴史・文化に関心が高まりつつあることを感じている。映画を観た人は、「ひい爺さんが、映っていました。」「親子3代で映画を観ました。父親が孫に昔の話を話していました。」「みかげ橋が懐かしかった」など、大正13年に制作された1つのフイルムと地域住民が繋がることにより、そこから住民一人一人のストーリーが生まれていることに驚いた。このことは、映画フイルムを通して「人と人との出会いや縁、つながりの大切さ」へとつながっていると考えており、一連の取組み自体が地域の貴重な文化となっていると感じている。

今後の課題と問題点

大谷地区及び地区内の金光図書館には、他の地域にはない貴重な文化・歴史資源が多く保存されている。地域住民にとって、これらの存在が当たり前のものとなっており、このことから認識や活用は十分ではなく、また地域の活性化にもつながっていない状況である。
2020年度の活動で地域の人々が、地域の歴史や文化に関心を持ってくれたことは確かだが、まだまだきっかけに過ぎない。ここからさらに地域の文化・歴史に触れることで、住み慣れた町の将来を一人一人が真剣に考えていくことにつなげていきたいと思っている。

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