小学生29名が夏休みの13日間で創り上げた音楽劇を8/23・24に3回公演した

団体名:「野良のあそび箱」実行委員会
代表者:浦西朔 所在地:岡山市 設立年:2015年 メンバー数:12名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成

活動の目的

「路地裏」や「軒下」のような「遊び場」を作りたいと始まった企画。「学習発表会をぶっ飛ばせ」をスローガンにして、劇、影絵、音楽が融合する舞台〈音楽劇〉を創る中で、子どもは創造力やエネルギーを発揮し、芸術家の姿勢や知恵を吸収しながら、最後には観客との一体になる瞬間を体験する。こうして、協力や表現する楽しさと難しさを味わいながら「夏休みにいまを一緒に生きた」体験が、子ども達一人ひとりの『生きる力』の基として記憶に残ることを目的とする。

活動の内容及び経過

4月中旬に実行委員会(メンバー変更して)を立ち上げ、名前を「野良のあそび箱in夏休み」とする。7月初旬に保護者説明会を2回行う。7/31から希望した役者・影絵・楽器のグループごとに分かれ、専門家やリーダーと一緒に、役者はホールの真ん中に設置された舞台(真上に舞台美術)で演じ、歌い、踊ることを、影絵は四方の壁に様々な影の絵を映す仕掛けを楽器も竹・木・水を利用した音を奏でるために、準備を重ねていった。最後の1週間に、合同で2つの作品(なつやすみさん野良の方舟、計100分)を創り上げ3回公演を行った(観客数300名)。


活動の成果・効果

衣装づくり、メイクや受付等を保護者全員が分担することで、交流が生まれ、この企画の主体者となっていった。その中で、新たに参加した子ども達も雰囲気になじみ、昨年からの子ども達も演出家(末原拓馬、わかばやしめぐみ)の意図を汲み、考えを伝えたりした。公演では29人がエネルギーを思う存分発揮し、舞台上でイマを生きる姿は、観客を魅了した。公共ホールや照明会社との連携もスムーズにいき、素敵なあそび場と魅力にあふれた舞台となった。また、今まで参加した中高校生や、大学生(就実・岡大・清心女子)が総勢18名のスタッフとして活動を支えるかたちもできた。
アンケートには「声、光、影、音、どれも五感をくすぐられ忘れそうになっていた感情まで引っ張り出される作品たちでした。」とあり、初参加の保護者の方からは「練習が楽しくて待ち遠しくて、帰ったら歌って笑ってコロッと寝てました。いきいきした子どもらしい姿をみて参加してよかったなと思います。いいものを作るには、厳しさや我慢が沢山いると思ってました。でも、本番の舞台をみて、楽しい気持ちうれしい気持ちだけでこんなにいいものが出来るんだと価値観が変わりました。」とあった。

今後の課題と問題点

5年間かけて目的を達成するやりかた(システム)が構築された今、課題は安定した活動資金だ。13日に亘る準備期間や多くの方がかかわる公演なので、参加費とチケット代だけの収入だけでは無理な一方で、継続を望む声(来年は参加したい)が多く寄せられる。お陰なことに助成金によってかろうじて運営が出来ているが、綱渡りの状態から抜けるための活動資金の調達が次の5年間での課題である。
もう一つは、この企画が岡山市以外でも実現できること。「子どもの生きる力」を育てるために、舞台(音楽劇)という手段を使って、市民と公共施設が協働して行うこの企画を、他地区で手を挙げる方が現れることを望んでいる。

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