既存の衣装改善点を活かしマニュアル作成を行った
代表者:福本里志 所在地:総社市 設立年:1967年 メンバー数:8名 助成年度:2019年度 教育文化活動助成
活動の目的
備中神楽を継続していくためには関心をもってもらう機会を増やすとともに、次世代に継承してもらいやすい土壌づくりを目指す。具体的には、神楽関係者以外にも地域住民がお祭りに参加する仕組みを創っていく過程で育まれる縦横のつながりがある元気な社会を目指す。
活動の内容及び経過
備中神楽の舞い手以外にも地域住民が神楽に関わり応援してもらえる土壌として、神楽衣装づくりに携わってくださる「神楽お針子衆」の募集を行った。和裁の先生および神楽師の助言や指導の下、有志のボランティアで参加いただいた方々と本年度は神楽演目「猿田彦」の衣装を上下完成を目指した。3月中に猿田彦の上着(鎧下)作成マニュアルを紙ベースとHPアップする形で公開予定。猿田彦の袴は現在マニュアル作成中であるので4月中を目処に同様に公開予定。マニュアルや活動内容公開後にどのように本事業でつくった仕組みを活用してもらえるようにするか発信内容や連絡する先は検討中。マニュアルを利用してわからない方は当法人へ連絡してもらい改善できるようにしておく。
活動の成果・効果
本事業の趣旨をよく理解し、今後も活動に参加していただけそうな方に出会えたことは良かった。それによって、当初の目的である参加してもらうなかで育まれる縦横のつながりある社会を目指す、ということを実現するためのはじめの一歩としての取り組みとなったと感じる。マニュアルも目標としていた猿田彦の衣装作成とマニュアル完成の目処がたった。現役神楽師の方にヒアリングした際にわかったこととして、衣装は決められた生業としての制作する場所が岡山県ではないため、各自工夫してつくっていることがわかった。よって現在使用している衣装に対しての不満や改善してほしい点などを聞き、マニュアル内に活かせたことが、これから神楽衣装を実際に作ってみたいという方の有益な情報となるように願う。全体を通して、お針子衆として関わってもらう方々の募集事項や約束事項など、次年度以降の進め方の指針となった。神楽衣装をご自身で作ってみたい子供神楽の親御さんなどがマニュアルを使って簡単に作成できることによって衣装代負担が減るなど、神楽への参加の壁が低くなり多くの方が気軽に参加できることを期待する。
今後の課題と問題点
はじめてのことで衣装づくりとマニュアル作成が思いのほか手間取ったこともあり、当初計画していたマニュアルが今期中に間に合わなかったが、進め方のヒントを得たのでこれからに活かしたい。成果としてできたマニュアルや針子衆の仕組みをHPアップだけではなく、実際にニーズがありそうなところに届くように発信・連絡するなど、どのように成果物を活かしていくかは今後の課題だと思う。
衣装づくりは和裁の知識がある程度ある方でないとマニュアルづくりに関わってもらう度合いの差が生まれることが作成過程でわかった。また神楽衣装づくりというよりは、手仕事に興味がある方もいらしていたのでその方々と目標を共有することが難しかったように思う。衣装作成を依頼したい方もいると思うので、その受け皿がわかりにくいのも課題である。