「新見発!生涯木育による地域創世に向けて」を掲げ、木育活動の展開を行った

団体名:一般社団法人 にいみ木のおもちゃの会
代表者:藤本忠男 所在地:新見市 設立年:2017年 メンバー数:35名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成

活動の目的

「木」の良さが見直されつつある中で、木に関わり、木と親しみ、生活の中に木を取り入れていくという「生涯木育」による地域創生を図る。次世代を担う子ども達へ、豊かな地域資源を活かした持続可能な地域づくりへと繋げていきたい。

活動の内容及び経過

「にいみ木にかかわりビトプロジェクト」として3つの柱での活動を行った。

  1. 「木育ネットワークの構築」では、他地域との交流を積極的に図り、異業種も含めた地域創生モデルの構築を目指した。子育て支援、福祉、医療、教育、観光といった各分野での「木育」の企画、運営を行い、交流を深めることができた。
  2. 「新見産木材利用の推進活動」では、「木のジャングルジム、くむんだー」の地元材による製作を行い、県内各地での出前講座を開催した。柱に貫を通し、楔を打ち込むことによって組み上げる昔ながらの木組みで、森林学習と連携した教育活動として定着しつつある。
  3. 「木育ワークショップ&木育自然体験活動」では、被災地支援活動も行い、大型商業施設で、災害支援団体との連携も実現した。「第3回森のゆうえんちinにいみ」は、未就学児の子どもたちの割合が多く、700名を越える参加者だった。親子成長型自然体験活動「杜の忍者になろう」では、自然の中での豊かな親子の交流を深めることができた。真庭市立北房小学校での「第2回わくわく木育ひろば@北房小学校」は、当会とPTAが連携して「木育」という基本コンセプトを掲げ、各ブースの活動内容が「木」に親しめる内容で、継続事業となっている。

活動の成果・効果

「にいみ木のおもちゃの会」は、2019年8月に任意の団体から一般社団法人化へと移行した。その理由に、「木」の良さや持続可能な社会形成へアプローチとして有効な活動として評価されてきたことがある。活動後の振り返りアンケートにも、身近な生活の中に木を取り入れようという意見が7割以上占めている。
「木育」という概念も徐々に広がりつつある。その中でも、乳幼児をお持ちのお父さんやお母さん方の子育てに対する意識は強く、熱い。幼少期の子ども達と「木のおもちゃ」や「木質空間」、「自然体験」で関わっているが、子ども達以上に保護者の方々と「木」の良さを再発見する場ともなっている。また、口コミやマスメディア、SNSを通じて広がり、地域を越えた活動依頼に結びついている。
個人レベルの「木」への好感度が、子育て支援、福祉、教育の分野での組織や事業所の活動に繋がっていると捉えている。
2018年度から貴会から助成を受け活動していた取組が、林野庁の外郭団体から、ソーシャルコミュニケーション部門で「ウッドデザイン2019」をいただいた。2年連続の受賞となる。「木育」での地域づくりとして、他県から木のおもちゃ図書館の開館に係るワークショップの依頼や大学と地域の共生を「木育」でというコーディネートの依頼もいただくようになった。

今後の課題と問題点

「木育」の普及活動を展開していく中で、地域や職種を越え、様々な方々と交流し、互いの特性を活かしながら「木」に関わる活動や事業展開へと繋がっている。
軸足を新見に置き、ふるさとの良さを地元の方により深く知っていただくことが必要と考えている。身近な自然、人、モノ、コトにスポットを当てながら「木」との共生を模索していきたい。また、新見から発信するためには、広域の「木育ネットワーク」の必要性を感じている。

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