郷土ゆかりの戦国武将宇喜多直家に関する市内の史跡をたどり、冊子を発行し、小学生に配布した

団体名:とっとこクラブ
代表者:川勝浩子 所在地:瀬戸内市 設立年:2011年 メンバー数:8名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成

活動の目的

岡山の基礎を築いた戦国武将、宇喜多直家が生まれた瀬戸内市邑久町であるが、その事実は市内の子どもたちにはあまり知られておらず、歴史好きの子どもたちも多いとは言えない。また、市内には貴重な関連史跡が点在しているにも関わらず、認識している市民も少なく、何よりも直家についてのイメージが「梟雄」という言葉が先行し、良いものではないという事実がある。そこで、宇喜多直家について再考し、郷土が生んだ戦国武将に興味を持ち、関連史跡を文化財として認識するとともに、ゆかりの地や歴史好きな市内外の人たちとの交流を促進し、瀬戸内市から歴史発信をすることを目的とした。

活動の内容及び経過

2019年8月4日
2018年に実施し、好評だった片岡学さん(小学校教諭)を講師に「おもしろ歴史講座」で宇喜多直家についての講演会を実施した。午後からは岡山戦国武将隊によるトークショーと甲冑を着る体験をした。

2019年10月11日
「宇喜多秀家の松」著者である縞田七重さんと八丈島久福会の高橋秀子さんを招き、講演会を行った。

2019年10月14日
語呂合わせで「砥石城の日」としたこの日、戦国好きで結成した「宇喜うきファンクラブ」のメンバー約10人と片岡教諭で砥石城に登り、片岡教諭から「矢竹」「郭」等の山の様子を学習した。

2019年11月16日〜18日
とっとこクラブ3名をはじめ瀬戸内市民の有志が「宇喜多秀家鎮魂祭」に参加するため八丈島を訪れた。

2019年12月7日
片岡学さん(小学校教諭)による「山鳥毛を愛した戦国武将上杉謙信」と題した講演会を開催。
瀬戸内市が購入を目指す国宝の太刀についても認識を深めた。午後からは段ボールの甲冑づくりを行い、親子連れが甲冑づくりに挑戦した。

2020年1月18日
岡山戦国武将隊によるトークショーと兜や甲冑を身に着けての写真撮影大会を行った。
寒い時期ではあったが、ぜんざいなども振る舞い、多くの家族連れや、大阪、名古屋、福岡など県外からの参加もあった。イベント終了後、宇喜多直家が生まれた砥石城登山を希望者で行い、山頂からの眺めや史跡について学んだ。

2020年2月
秋ごろから編集を進めてきた「瀬戸内市が生んだ戦国武将宇喜多直家〜岡山の礎を作った人〜」(小学生高学年向け読み物)を1000部発行。市内小学5〜6年生に配布。
図書館、公民館、博物館等の市内公共施設に設置するとともに希望者に配布。

活動の成果・効果

8月の片岡学さんの講演会に参加してくれた人たちに呼びかけ、歴史好きが集まり「宇喜うきファンクラブ」が発足するなど、少しずつ交流が広がった。菩提寺である岡山市の光珍寺や宇喜多秀家が島流しとなった八丈島の久福会、香川県引田町の引田城戦国武者行列実行委員会などとつながることができた。また岡山戦国武将隊の追っかけで全国からの来訪者があるなど、予想外の反響があった。宇喜多直家を発信することで、思わぬつながりができた。

今後の課題と問題点

今回の活動を、今後どのようにして継続していくかが課題である。ゆかりの地である八丈島との交流は毎年行い、同好会的な「宇喜うきファンクラブ」についても不定期な集まりの中で、情報交換が行えるものと思うが、市内の子どもたちが興味を持てるようなイベントや学習会を引き続き開催していくための資金調達や、行政機関(教育委員会など)との連携、官民協力のもと、息の長い活動としていくための方法を模索したい。

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