受講生、教員から「自分を表現できた、身体表現活動に対して自信がついた」との声を頂き、次年度への活動の発展へと繋がった

団体名:環太平洋大学 次世代教育開発センター 表現教育部門
代表者:前田一誠 所在地:岡山市 設立年:2016年 メンバー数:6名
助成年度:2019年度 教育文化活動助成

活動の目的

岡山聾学校では体育のダンス授業の一環として表現教育を取り入れ、身体的なハンディキャップに配慮した振付を提供することで、聾学校の生徒が身体を動かす楽しさを味わい自分自身を思いきり表現できるような機会を提供することを目的とした。また今回の表現教育指導を単発のイベントとしてではなく授業にて継続して取り組みたいとの学校側の要望により、後日の体育の授業でも今回学習したダンスに取り組んでいただいた。軽部小学校では2018年1月に起きた交通事故による児童教員の心の回復のため、今年度も継続して歌やダンスを通して心も身体も開放する喜びや楽しさを味わえるような機会や大学生との交流の場を提供することを目的とした。

活動の内容及び経過

岡山聾学校では、ダンスの指導と手話を取り入れた歌の指導を行った。ダンスでは身体障害の程度により生徒が3つのグループに分かれ、それぞれの身体運動に適したレベルの異なる振付を提供した。また各グループごとに見せ場となるような振付を用意し、成果発表ではそれそれが自身の頑張りを表現しかつきちんと評価がされるよう工夫をした。また歌の指導では、聴覚障害の生徒に歌を指導する際の視覚補助として歌詞に手話の振付をし、手話やリズムを取りながら歌を指導した。軽部小学校では初めにアイスブレイキングのゲームをいくつか行い児童の心をほぐし、全員でダンス・歌に取り組んだ。またワークショップの最後にはサプライズで大学生から児童と先生方へ歌とダンスのショーをプレゼントし、自由に自分を表現することの素晴らしさを感じてもらいながら楽しい時間を過ごしてもらえるような機会を設けた。今回のワークショップでは、聾学校・小学校という環境も対象年齢も異なる2つのワークショップを実施したが、どちらの学校でもワークショップ後の児童生徒の「楽しかった!」という声やハイタッチに嬉しそうに応じる明るい表情がとても印象的であった。

活動の成果・効果

ワークショップ実施後、岡山聾学校・軽部小学校両校の児童生徒にワークショップに関する感想を伺ったところ、「色々ダンスの仕方を教えてもらって、少し上手になることが出来てうれしかった」「また大学生のお兄さん、お姉さんとダンスの勉強がしたい」との声をいただいた。また先生方からは、「上手く生徒のやる気を引き出しており、生徒の実態と合った活動内容であった」「大学生が明るく積極的に生徒と関わってくれたことがよかった」とのご意見を頂いた。また今回のワークショップは、ダンスや歌といった芸術に触れるという点で両校にとって貴重な機会であり、もっとダンスを踊ってみたい、色々な歌を習ってみたいといった動機づけにも繋がった。表現教育を通して児童生徒の表情が明るくなったことを先生方にも大変喜んで頂き、次年度も継続して両校でワークショップを実施することとなった。

今後の課題と問題点

学校からの要望として、このワークショップを単発のイベント化せず、継続して行っていきたいとの要望があった。そのためには、先生方がワークショップの内容を引き継ぎ授業の中で児童生徒へ指導ができるようにしていくことが課題である。今回は岡山聾学校の先生方が後日ダンス指導をするために振付の動画を用意しお渡ししたが、動画のみでは振付指導にとどまってしまうため、先生方にまずはワークショップを体験していただき、1つ1つの要素の意図をお伝えし体感していただくことが必要となる。

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