児童生徒の家庭・社会・卒業後の職業生活につながる指導法の開発を進めることができた
団体名:岡山県立岡山西支援学校 カリキュラムマネジメント室
代表者:平賀和治 所在地:岡山市 設立年:1976年 メンバー数:108名 助成年度:2019年度 教育文化活動助成
代表者:平賀和治 所在地:岡山市 設立年:1976年 メンバー数:108名 助成年度:2019年度 教育文化活動助成
活動の目的
愛媛県新居浜市トモニ療育センター(医師及び臨床心理士)の知見を生かし、小・中・高等部一貫した国語、算数・数学に関する指導と確実なアセスメント(実態把握)により、児童生徒の家庭・社会・卒業後の職業生活につながる「育てたい力」を明確に目標設定し、児童生徒が日常生活に生かすことができるようにする。
活動の内容及び経過
①活動の内容
- 本校を会場にトモニ療育センターと、なのはなクリニック「あかり塾」の専門家を招聘し、校内教員、保護者、本校通学区域の学校園、療育機関、放課後児童サービス等の関係機関を対象に、本校児童生徒の公開療育及び自閉症児が社会で生きていくために必要な時計の読み等の理解につながるタイルを活用した指導法のワークショップを行い、障害の程度や学びにくさに対応した学習教材を提供し、学校、関係機関、家庭が教材の共有化による一貫した支援に取り組んだ。
- 地域内小中学校特別支援教育コーディネーター、特別支援学級担任等を対象にした学習支援の公開講座を開催した。
- 近隣に障害児保育も行う保育所が開園することから、障害幼児の保護者へも本取組の公開講座を行った。
②活動の経過
- 4〜6月トモニ療育センターによるアセスメント・参観、教材ワークショップ
- 7月2日公開授業①・講義、協議、教材ワークショップ
- 7月12日公開授業②・地域の学習支援専門家による指導
- 7月31日公開講座・地域の学習支援専門家による講演
- 9月4日トモニ療育センターによるアセスメント・講演、参観、教材ワークショップ
- 10〜1月トモニ療育センターによるアセスメント・参観、教材ワークショップ
- 1月15日公開授業③・講義、協議、教材ワークショップ
- 2月19日成果発表会(公開授業④)、研究成果報告・県下への授業公開、講演、参観、教材ワークショップ
活動の成果・効果
(1)児童生徒
- 「育てたい力」の明確化による、児童生徒の学力向上、自立と社会参加の充実、就労率の向上
- 専門家の指導を受けた教材を通した児童生徒の主体的・対話的な学びの充実
(2)教員
- 発達障害・知的障害のある児童生徒に対する障害特性を生かしたタイル算を使った加減乗算、時計、金銭等の生活に生きる国語、算数・数学の指導力の向上
- 発達障害・知的障害のある児童生徒に対する個への指導力及び集団学習における授業力の向上
(3)学校
- 国語、算数・数学の小学部・中学部・高等部までの一貫したカリキュラムマネジメントの充実
- 教材の共通理解、共有による教材作成の時間の削減による働き方改革の実現
(4)地域
- 公開授業・研究発表会等による、地域の特別支援教育の充実
今後の課題と問題点
- 国語・算数・数学科の枠を越えた教材活用:授業力の向上
- 新学習指導要領と教材の関連表のさらなる充実。
- 「深い学び」へのアプローチ