ダウン症児の歩行獲得の場の提供と、運動遊びについての提案
代表者:定藤容志枝 所在地:岡山市 設立年:1998年 メンバー数:153名 助成年度:2018年度 教育活動助成
活動の目的
低緊張のダウン症児は、運動機能が通常よりも遅いため、歩行を獲得する過程での支援が必要とされている。また、ダウン症児は染色体の異常により思春期以降に肥満になりやすい傾向があり、成人期以降の健康問題にも大きく影響していく。しかし、独立歩行を獲得した後の運動発達を伸ばす機会が乏しい。
そこで、この活動ではダウン症児の歩行の早期獲得のための療育の場を提供し生活面での安定(安定した歩行)と、活動中に成長に関する相談を受けることで精神面での不安要素を解消する。また、その後の運動についての提案も行うことで、岡山県内在住のダウン症児特有の「肥満になりやすい」体質の改善へとつなげることを目的としている。
活動の内容及び経過
4月より定期的に活動を行い、主に、すぎはら眼科循環器科内科の施設を借りて活動を行った。目的ごとに参加者を分け、スムーズな活動が行えるように配慮した。
- ホップ乳児(歩行前)
- ステップ幼児(歩行獲得児)
- ジャンプ児童〜
乳児に対しては、藤田弘子先生を中心に考案された「ダウン症児の赤ちゃん体操」(適切な乳児発達過程を踏ませるための運動療法以下「赤ちゃん体操」)を保護者に実践指導し、発達に合わせた運動方法について理解を求めた。また、運動を家庭でも実践することは、親子のコミュニケーションの促進となる。
参加した家族には、毎回家庭での様子、児の成長、健康状態などの聞き取りを行い、指導を行った。また、そのほかの成長に関する相談についても指導者が経験者であることによりスムーズに対応をすることができた。
運動提案については、開催日の参加者が少なく思うような活動を行うことができない場面が見られたが、数字の書いてあるマーカーを順番に置いてその上を歩いてみる。回数を重ねるごとにマーカーの距離を広げることで片足のバランスをとり、ジャンプする、など家庭の中でもできる活動を中心に提案した。ボールを使った運動も取り入れ、片手で投げる動作の獲得を試みたりもした。
参加児童に場の準備、変更の提案を行ってもらうことによって少ない人数の中でも楽しんで運動のできる環境を整えることができた。保護者、きょうだい児も一緒に参加することで、家族で楽しみながら活動ができた。
活動の成果・効果
赤ちゃん体操指導については、定期的に参加する家族同士でお互いの抱える不安、様子などを知ることができ、他の子どもの成長を感じることで自分の子どもの小さな成長にも気づくことができた。また、体調不良等で参加ができない期間が長かった場合、子どもに対する不安感が増加することも考えられるので、指導者が訪問指導を行うことで継続を図った。このことで、気軽に指導者に成長に関する相談を行うことができるようになり、短期の成長だけではなく、長期的な成長についての相談に応えることができるようになった。
運動遊びについては、参加者が少ないこともあり、ゆったりとした環境の中で、個人の好む運動と中心に楽しんで活動をすることができた。サーキットを一緒に作る、変更を一緒に行うなど、参加した子どもの活動したい意欲を増進させることができた。
片足立ち、ジャンプ、ボールを片手で投げるなど、参加者が苦手とする活動を見つけながら遊びの中に取り入れることができたと考える。継続的な運動は家庭でもできる遊びの中にあることを保護者と一緒に行うことで、直接伝えることができた。
今後の課題と問題点
赤ちゃん体操指導を希望する参加者が、参加日を固定すると体調不良等の理由により参加できず、長期間指導を受ける機会を逃してしまう。このことにより継続的な支援が必要であるはずが、断続的になり早期歩行獲得の妨げとなった。また、対面指導が必要なため、複数の希望者に対して指導者が不足することがあった。
歩行獲得後のダウン症児に対して、幼児・児童と年齢別による指導を行う予定であったが、参加希望人数が少なく全年齢を対象に活動を行わなければならなくなった。このことにより、子どもごとに指導方法を変える必要が出てきてしまい、予定していた活動内容を行うことができなくなった。
また、頸椎等に問題を抱える子どもの参加もあり、その場合の指導配慮が適切に行えたか不安が残るものとなった。