「元祖美咲桃太郎伝説」の多様な活用で地域文化をひろげる
代表者:玉木陽一 所在地:美咲町 設立年:2015年 メンバー数:15名 助成年度:2017年度 文化活動助成
活動の目的
美咲町の旧村の一つである三保村が昭和3年に発刊した『三保村史』に載っている「桃太郎伝説」は日本でいちばん早く書物に載ったものであり、地形の特徴を活かして名づけられた地名(鬼山、焼寺、退治山、勝﨏、祝詞)と伝説を結びつけた先駆けと評された。そこで、それを「元祖美咲桃太郎伝説」と銘打って、先人たちの残してくれた美咲町の宝物として、住民自身の力で継承・啓発・活用を試みようとした。また、そのことが現在進められている「美咲町史編さん」事業の一助になると考えた。
活動の内容及び経過
「元祖美咲桃太郎伝説」の大型紙芝居を保育園、老人施設などで上演し、好評を博した。
「元祖美咲桃太郎伝説すごろく」&「美咲伝説マップ」の増刷を要望する声があり、増刷し、販売した。より多くの方に、楽しみながら地域の歴史や先人のあゆみを学ぶ機会を提供することができた。
美咲町の自然、名所、歴史、文化、人物などを44枚の読み札と絵札からなる「美咲郷土かるた」を考案し、試作品を作った。2月には「美咲郷土かるた大会」を開催し、老若男女が集い、和気あいあいと楽しいひとときを過ごすことができた。保育園・学校、老人施設、サロンなどからの使用の要望が多く、貸し出している。
4月には「2018元祖美咲桃太郎伝説ふれあいウォーク」を開催し、参加者80人、スタッフ30人が、桃太郎伝説ゆかりの地を舞台に楽しみながら交流の輪を広げた。住民が献身的・自主的に参画し、「元祖・美咲桃太郎伝説」が有効に利用されたので、人的・物的な地域資源の再発見の機会ともなった。
そして、これらの事業が新聞・雑誌などで取り上げてもらえるようになり、「元祖美咲桃太郎伝説」が広まりつつある。
活動の成果・効果
「元祖美咲桃太郎伝説」の紙芝居を上演したり、「元祖美咲桃太郎伝説すごろく・美咲伝説マップ」を制作・活用や「2018元祖美咲桃太郎伝説ふれあいウォーク」をおこなったりすることにより、住民が「わが町の桃太郎伝説」に親しみと愛着をもちだした。そして、それを継承・啓発・活用しようという機運が生まれつつある。また、「美咲郷土かるた」は好評で、老人施設やサロンでの使用が増え、今後本格的な印刷による制作の動きもある。いずれも福武教育文化振興財団の助成のおかげで制作し、見える形にしたものであり、助成を有効に活用させていただいたといえる。
今後の課題と問題点
「元祖美咲桃太郎伝説」ゆかりの地の整備がまだ不十分であり、清掃・整備活動、案内看板の設置、遊歩道の整備などを進めていかなければならない。それとともに、紙芝居・劇の上演活動、ウォーキング・見学会・桃太郎まつりの開催など、「元祖美咲桃太郎伝説」を活用した活動やイベントを企画することが、地域全体の盛り上がりにつながるのではないだろうか。歴史や文化に関心をもち、おたがいにつながり合って活動することが、地域にうるおいと活性化をもたらすことになると考えられる。