古い町並みを活かしたアートイベント「牛窓しおまちアート」

団体名:牛窓しおまち唐琴通りの保存と活性化プロジェクト
代表者:上野克子 所在地:瀬戸内市 設立年:2009年 メンバー数:75名
助成年度:2017年度 文化活動助成

活動の目的

古くからの港町として栄えた牛窓ではあるが、昭和40年以降の陸上交通網の整備に伴い、産業は衰退していくとともに、社会的な少子高齢化問題ならびに過疎化が急速に進捗して、時代に取り残された地域となりつつある。
そうしたなか、古い港町としての趣のある歴史的風情を残す町並みの魅力が昨今殊に再認識されつつある。そこで空き家を含む町並み一帯の民家や公的施設を展示スペースとして活用し、近隣のアーティスト、クラフト作家の作品を展示販売するショップを開く文化的イベントを開催することで、地域の賑わいを創出しようとする活動である。それと同時に地域の持つ魅力を来訪者に認識してもらうとともに地域住民にも再認識して貰うことで地域の活性化につなげることを狙いとした。併せて若手アーティストやクラフト作家の発表の場とすることで、この地域からの文化的情報発信の場とすることも目的とした。

活動の内容及び経過

平成25年に他のグループが町並みを生かした全国からクラフト作家を迎えてのアートイベント「牛窓クラフト散歩」が催され、実に多くの来訪者で溢れたことを目の当たりにした。またその以前から私たちは古い町並みを生かした「牛窓八朔ひな飾りとししこま作り」という夏のひな飾りイベントを実施した実績もあり、地元の作家さんにを声をかけて少しコンパクトなアートイベントしての第1回目の「牛窓しおまちアート」を実施し、好評を博していた。
そこで今回5回目となる「牛窓しおまちアート」を平成29年9月29日(金)から10月1日(日)の3日間、牛窓しおまち唐琴通り一帯の民家19か所並びに市の街角ミュゼの計20か所に、35の作家がショップを開設した。来訪者は町並みを歩きながら各ショップの展示と古い趣のある家屋や町並みの風景を楽しんだり、街角でのミュージック・ステージなどを楽しんだ。また29日の夕刻には、出店参加者とスタッフとの交流会も催し、作家同士の互いの交流と情報交換の場とすることができた。当日参加者約1000人。

活動の成果・効果

今回で5回目となる企画であるが、地域にとっては晩夏のイベントとして定着し、イベント自体が地元に溶け込んだ感がする。そして多くの来訪者が訪れることで、普段は静かな町並みに昭和30年代には多くの人々が行きかった、往時の賑わいが戻ったようであり、地域の人々も笑顔が絶えなかった。
なお、特に今回は貴財団の助成金のお陰で新規購入できたテント等で休憩所が設営できたことは、出展作家並びに来訪者から好評を博すことができた。

今後の課題と問題点

  1. 地域にも定着したイベントとなっただけに、家屋が密集した地域でもあり来訪者向けの駐車場スペースの確保という地域としての大きな課題がある。
  2. 定着したイベントとはなったが、マンネリ化にならぬような常連作家とともにユニークな分野の作家の新規発掘も欠かせない。
  3. さらなる広報の方法、ネット広報等を駆使してさらなる観客増員を図る。

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