バロック音楽を身近に感じることでクラシック音楽のすそ野をひろげる

団体名:岡山県演奏家協会
代表者:佐々木英代 所在地:岡山市 設立年:1967年 メンバー数:40名
助成年度:2017年度 文化活動助成

活動の目的

難しい印象を持たれがちな「バロック音楽」が、誰にでも分かりやすく、また心地よく、身近なものに感じていただくことを目的とした。現代の生活の中で、私たちはあらゆるところでバロック音楽を自然と耳にしている。それは、喫茶店や病院のBGMや、テレビから流れてくる音楽など、普段の生活の中に浸透しているものばかり。今回は、そんなバロック音楽の元の姿や、少しずつ時代と共に変化していくバロック音楽を聞いていただくことによって、改めて音楽のおもしろさや美しさなどの魅力を感じていただきたい。

活動の内容及び経過

9月16日ワークショップ「覗いてみようバロックダンス」、9月17日「バロックコンサート〜今よみがえるバロックの輝き〜」を岡山市民文化ホールにおいて開催。
バロック時代に活躍した作曲家の作品を、当時の衣装をまとったナビゲーターの平易な語りと、美しい照明の中に映し出される映像に合わせてお届けした。そして、その時代に音楽と共にあったバロックダンスを演奏と一緒にお楽しみいただくことにより、まるで宮廷の中にいるかのような雰囲気を感じていただけた。また、バロック時代の作品とは思えない、あっと驚くような曲や、マリンバでジャズ風にアレンジした作品を演奏するなど、プログラム構成を幅広くすることにより、お客様に最後まで飽きさせず聞いていただくことが出来た。
またワークショップでは、小さな子どもから大人まで幅広い年代の方が、バロックアンサンブルの生演奏に合わせてダンスを体験した。バロック音楽やバロックダンスの歴史について解説を交えながら、基本的な3拍子や4拍子のステップの踏み方を教わり、誰もが知っている「メヌエット」や「アマリリス」の音楽に合わせて、みんなで円になってダンスをした。

活動の成果・効果

コンサートでは、「当時にタイムスリップしたようで、宮廷の世界が楽しめた」「ヨーロッパの雰囲気を感じられ、音楽がとても心地よかった」「初めてバロックダンスを見たが、とてもおもしろかった」「プログラムの構成やアレンジがとても素晴らしかった」と多くのお客様に喜んでいただけた。またナビゲーターによる、作曲家や曲についての解説があることで、より一層音楽を深く味わっていただくことが出来た。
ワークショップでは、誰でも知っている3拍子の「メヌエット」や4拍子の「アマリリス」に合わせてステップを踏むことで、小さな子どもやバロックダンスを初めて体験した方にも、バロック音楽を身近に肌で感じていただくことが出来た。また、音楽の拍子がダンスからきていることを、実際に身体を動かすことで体感出来、音楽が立体的に感じられたり、音楽に欠かせない呼吸を感じていただくことが出来た。また、バロックダンスのリズムの感じ方が、現代の多くの人が無意識に取っているリズムの感じ方とよく似ていることにも気付くことが出来た。
音楽が好きな方にはもちろん、普段音楽をあまり聞く機会がない方や、演奏者にとっても、とても楽しく、意味のあるイベントになったのではないだろうか。

今後の課題と問題点

今回のようなステージを作るために、衣装の製作や、照明と映像を入れることで、多くの費用がかかってしまう。その負担が出演する協会会員にのしかかってしまうことが企画コンサートの悩みの種である。
また、今回は年配のお客様が多かったが、音楽の魅力を発信していくためには、これからの社会を担っていく子ども達にもっと来ていただく必要がある。そのためには、学校関係への広報や、メディアでの宣伝など、市民全般に幅広く知っていただく広報活動が必要であった。

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