古写真・絵図を中心に「備中足守の記憶」冊子を作成し過去と現在をつなぐ

団体名:備中足守竹取物語
代表者:杉原康子 所在地:岡山市 設立年:2007年 メンバー数:25名
助成年度:2017年度 文化活動助成

活動の目的

10年間足守の歴史を紹介する講演会や、地域に残る文化財に関する説明会、関連する人物を紹介するパネル展示を、足守小学校体育館、足守公民館、近水園、足守侍屋敷、利玄生家などで行ってきた。その過程で、日本書紀の記述の存在や平安、江戸期から明治を経て昭和、平成に至るまでの足守地域で起こった事績を記録した、多くの資料(古文書・絵図・絵葉書・古写真など)の存在を知った。これらの資料を地域に住む人間の視点からとらえ直した、目で見る記憶集を作成する。
昭和37年吉備郡足守町であった時に地域住民の熱意で建設され、足守の歴史を紹介する場であった岡山市立歴史資料館「足守文庫」備中足守藩木下家資料が施設の老朽化に伴う環境悪化のため岡山シティミュージアムに移された。近水園を訪れる観光客や地域住民が実物資料を身近に見ることができなくなったことで、資料の存在と歴史的背景は忘れ去られ春は桜、秋は紅葉と風景を楽しむ散策の場所のみとなっている。
古代からの足守の土地の記録、足守陣屋跡や近水園の風景の裏にある、外様小大名として生きた足守藩の存在、廃藩から昭和まで、一番活気あった昭和30年代の町の様子などを、古写真・絵図を中心に「備中足守の記憶」冊子作成により、過去と現在をつないで足守陣屋町と大名庭園(近水園)を紹介し、次世代の継承することを目的とする。

活動の内容及び経過

2017年6月:第1回編集の打ち合わせを足守公民館で行う。(参加者7名)集めた多くの資料をどのような視点から構成していくのか、意見がいろいろ出た。時系列でまとめること、できる限り文章を少なくすることを方針とした。現実の編集作業は、全員初めての経験であったので、なかなかまとまらず時間だけが過ぎていった。結果、出版社への相談、依頼が年明けになった。また、学校の統廃合により母校の校歌を残したいと意見多くあり、校歌と校舎写真を加えることに決定。知人友人恩師をたどりながら、ぎりぎりまで収集作業を進めたが、全部の学校は集められなかった。2018年3月25日初版発行。

活動の成果・効果

古写真などを集める過程で、近隣の皆様から「こんなものがありました」と多くの写真を見せていただき、貴重なお話を伺うこともできた。永年眠っていたセピア色の写真を見つけ、此処にいる方の子孫に思いを馳せて思いに耽ることもしばしばであり、時間を飛び超えることの楽しさを味わった。
また、昭和20年代戦後間もなく生活に苦しんでいたころに、地域に残る文化財の保護の重要性を認識した先人たちが、記録を残す写真展を開いたり、保管施設の建設に情熱をもって奔走していた資料に出会い、先人たちの思いを次世代へつなぐことの大切さを改めて認識した。
途中経過の原稿を30代から40代の人達に見てもらうと、「まったく知りませんでした」「足守はこんなに深いところだったのですね」という反応で、我々が驚いてしまった。
冊子作りという地味な活動ではあるが、多くのご理解とご協力で「記憶集」作りに取り組めて本当に良かったと思った。

今後の課題と問題点

本を作ることの難しさ、怖さを体験した。今回の経験を生かして、収集した写真や資料の全てを掲載できなったという思いもあり、今後またこの冊子をご覧いただいた方から新たな情報を得て、地域の記憶集を充実させていきたいと考えている。

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