「倉敷町衆プロジェクト」による地域と連携し、高い志を育成するキャリア教育の推進

団体名:岡山県倉敷南高等学校町衆プロジェクト実行委員会
代表者:森本裕文 所在地:倉敷市 設立年:2013年 メンバー数:64名
助成年度:2017年度 教育活動助成

活動の目的

「倉敷町衆プロジェクト」は地域連携・グローバル人材の育成を基盤としたキャリア教育である。1年次は地域と連携した課題解決型学習、2年次では課題研究や海外研修による進路意識・グローバル意識の育成、3年次では課題解決型学習によって生徒の思考力の育成を図る。今年度はより組織的・効果的に推進するために、カリキュラムマネジメントの研究に取り組むものである。

活動の内容及び経過

平成29年度に行った町衆プロジェクトから地域と連携したキャリア教育関係、グローバル人材の育成に向けた行事関係のものについて報告する。

【キャリア教育関係】
(1)ラーニング・カフェ/フィールド・ワーク
日時:平成29年7月21日(金)、25日(火)、27日(木)
対象:1年次生
内容:ラーニング・カフェは、職業観の育成、社会への貢献意識を高めることを目的に、倉敷で働くさまざまな職業の方にお話を聞くもので、本年度はNPO法人倉敷町家トラスト代表理事・中村泰典様、倉敷まちなか住居「くるま座」有鄰庵・犬養拓様をはじめ、16名の方に来校いただき、生徒と交流した。フィールド・ワークは、うさぎや、ほうりん、倉敷市国際課等へ生徒が出向き、実際の仕事の現場を拝見した。活動は文化祭の中でポスターにして発表した。

(2)葦高小学校倉敷南高校サポートデー
日時:平成29年7月24日(月)
内容:教育学部を志望する生徒を中心に47名が葦高小学校を訪問して、学習サポートを行った。学習会終了後は、小学校の先生方にインタビューを行った。

(3)ディベート大会
日時:平成29年9月6日(水)
対象:3年次生
内容:3年次生各クラス7〜8名で編成されたチームが、8月下旬のテーマ発表から準備をし、予選を勝ち抜いてきた4チームが、体育館で準決勝、決勝の試合を行った。

(4)ポスターセッション発表会
日時:平成29年11月14日(火)
対象:1年次生、2年次生
内容:2年次生が課題研究の内容をポスターにして、体育館・合併教室等の発表会場ごとに分かれて、研究内容を発表した。その後、3つのグループが体育館ステージで発表した。大原美術館理事長大原あかね氏、香川大学准教授山崎裕正先生、岡山県産業労働部産業振興課技術振興班主幹八木慶市氏の3名の先生方に講評していただいた。

(5)「キャリアⅠ」関係機関・事業所訪問
日時:平成29年12月18日(月)、20日(水)
対象:2年次生
内容:「キャリアⅠ」での所属に関連し、11カ所(JFEスチール、自然史博物館、大原美術館、山陽新聞社等)の中から1つを選んで訪問した。

(6)仕事の達人講座
日時:平成30年1月16日(火)
対象:2年次生
内容:ナカシマプロペラ株式会社、関西プラスチック工業株式会社、株式会社天満屋倉敷店、公益財団法人水島地域環境財団等13名の講師をお呼びして、講演をお願いした。

【グローバル人材育成関係】
(1)シンガポール・グローバル修学旅行
日時:平成29年6月23日(金)
対象:2年次生160名
内容:シンガポールの日系企業・法人8カ所の訪問、現地の大学生との研修を実施。

(2)カンボジア研修
日時:平成29年8月20日(日)〜26日(土)
対象:2年次生7名
内容:本校2期生でPKO活動中に殉職された高田晴行さんを偲んで建設されたタカタ・ハルユキスクールやアンコール高校、日系企業、アンコール病院等を訪問した。

(3)グローバル・キャリア講演会
日時:平成29年11月2日
対象:1年次生、2年次生
内容:倉敷市国際課国際交流員ジェームス・ベンソン氏による講演。

(4)カシミア高校との交流事業
日時:平成29年12月11日(月)・12月12日(火)
対象:1年次生、2年次生
内容:倉敷市との姉妹都市クライストチャーチから訪問したカシミア高校20名の生徒と交流事業を行った。11日は歓迎式、授業体験。12日は1、2年次生の生徒60名が美観地区を案内した。

(5)グローバル・キャリア交流会
日時:平成30年1月23日(火)
対象:2年次生31名
内容:岡山大学の留学生14名(ベトナム、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピン、リトアニア等)と本校2年次生31名による異文化交流事業を実施した。

活動の成果・効果

これまで述べてきたように、グローバル意識の向上、キャリア意識の形成に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。生徒の感想からは体験や対話を通して、考えが深まったというものが多く、自ら思考し、行動することがより深い学びにつながるという効果が感じられた。こうした活動を通して、自らの進路選択に、より積極的になり推薦・AO入試にチャレンジし、合格していく生徒も増加している。

今後の課題と問題点

これまで、こうした取り組みを通して、さまざまな体験の機会を設けてきたが、体験で終わってしまうことが課題である。今後はただ体験するだけでなく、事後指導をより大切にして、経験の意味を考え、自分が学んだことを仲間と共有したり、記述したりすることで、より深い学びつなげていくことが必要である。

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