下津井の港町にある旧美術館建物をリノベーションした「吹上美術館」
代表者:片山康之 所在地:倉敷市 設立年:2010年 メンバー数:9名 助成年度:2016年度 文化活動助成
目的
館長や学芸員がおらず、地域の人々やアーティストの協力によって運営されていることが吹上美術館の個性である。そこで生まれる繋がりを育みながら人々が繋がるためのターミナルとしての美術館を目指したい。欧米の主要都市で生まれた美術的価値観があるのならば、児島下津井で生まれるそれもあっていいはずだ。欧米生まれの流行に流されず、日本美術の在り方を問う最前線であることが地方美術館にとって一つの意義であり、それを保つことは容易ではないが、そこに関わる人々の持つ文化的闘魂を発揮するには申し分ないフィールドである。
内容・経過
4〜7月
炭田紗季−庭の鉢植えは波をかぶらない〜展
7〜10月
佐藤亮太・ウィリアムリーの二人展、アーティストトーク
10〜1月
片山康之展(梵天像(東寺)に感銘を受けて制作したという等身大の彫刻を中心とした静謐な展示)、8時間耐久トーク
1〜3月
田中孝明展(「FromLinetoLine」では線表現をテーマにした空間造形を展開)、ワークショップ(「フェルトうどんひも作り」ワークショップ、「和紙ランプシェード作り」ワークショップ)
成果・効果
地域・作家で美術館運営というそもそも前例のない活動なので社会的な注目度は高かったとメディア取材などを通じて感じた。噂を聞きつけて県外・国外からの来館者もあり、当初の予想よりも広い繫がりを得ることができた。
各企画展示に伴いワークショップやトーク、公開制作などを実施し地域の理解を深めることができ、そのつながりの中で、次のステップとしての離島移転も決めることができた。
もはや数人の小さな法人ではコントロールできないほどの存在になりつつある吹上美術館だが「寛容と闘魂」を合い言葉に地域社会の文化振興に貢献したい。
今後の課題と問題点
入館料と助成金を収入源としながら運営してきたが、家賃などのランニングコストが支出の大半を占めており企画内容に十分な予算を使えない。また、運営する法人メンバーも本業との両立の中で時間を確保することが難しい場面もあり、活動の質を担保することに苦労した。
今後は過去2年間の美術館運営の反省と経験を生かしながら、離島に活動拠点を移し独自性をさらに高めていく計画である。「いま、ここで、わたしたちにしかできないこと」を目指して何らかの結果を出す必要がある。