落語オペラシリーズその壱「目黒のさんま」を開催
団体名:オペラ劇団 トロヴァトーリ
代表者:加治郷子 所在地:岡山市 設立年:1994年 メンバー数:10名 助成年度:2016年度 文化活動助成
代表者:加治郷子 所在地:岡山市 設立年:1994年 メンバー数:10名 助成年度:2016年度 文化活動助成
目的
日本の伝統芸能である古典落語をオペラにすることにより、日本の文化と西洋の文化の融合を図る。落語を脚色し、芝居的要素をふんだんに取り入れた作品にして上演することで、子どもからお年寄りまで幅広くオペラを楽しんでもらい、より身近に感じてもらう。また、オペラでしか表現できない声楽のアンサンブルを味わってもらい、クラシック声楽の魅力を伝えると共に、落語に触れる機会のなかった人にも落語を知ってもらうきっかけとなり、豊かな情操を養うと共に地域の文化向上により役立てる。
内容・経過
第1部:赤坂町在住の噺家、雷門喜助氏による古典落語「目黒のさんま」第2部:落語オペラ「目黒のさんま」脚色・台本・作曲/松井和彦
2015年9月に伊勢で初演された作品で、札幌に続いて岡山が3番目の上演となる。
古典落語の「目黒のさんま」では、登場人物は殿様・家来・目黒のおかみさんの3名であるが、オペラでは家来を2名とし、2人の軽妙な掛け合いと、3人の奇麗所を登場させることで、それぞれのアンサンブルを聴かせる作品にした。また、赤外線センサーを擬人化させ登場させることで、よりコミカルな演出となった。
キャスト/殿様:松本敏雄、家来:加治郷子・多田康芳、綺麗所:乙倉寧子・栗木深香・桑原直美、おかみさん:近藤にれ、赤外線センサー:須賀さやか、黒子:森本誠
アンサンブル/ピアノ:文裕理・松下智子、パーカッション:大和のの・戸次慎治・中川宅杜
指揮・演出/松井和彦演出補佐/加治郷子照明/青井史子(オールライツ)衣裳協力/小林テレサ・児玉恵子道具協力/蜂谷和久舞台進行協力/浦西朔舞台補佐/森本誠制作協力/企画on岡山稽古ピアノ/野島香菜フライヤーデザイン/小津彩華
2016年2月中旬より音楽稽古を開始する。3月中旬より指揮者による音楽稽古及び立ち稽古開始。5月7日・8日、瀬戸公民館においてアンサンブルも加わりフルメンバーでの通し稽古を行う。5月12日(木)より会場入り。仕込み及びホールでのリハーサルを行う。
5月 14日(土)18時開演
15日(日)14時開演
会場:西川アイプラザ
成果・効果
落語をオペラにしたことによって、オペラの堅苦しさを感じさせない作品になり、今までのオペラの概念を覆すことが出来た。新聞や雑誌等でも大きく取り上げてもらえ、2日間で計404名の入場者が有り、予想以上に好評を得ることができた。また公演後、ケーブルテレビでも3度放送され、多くの人に観てもらうことができた。
今後の課題と問題点
地方都市では集客が難しい上、ステージ・客席共に上演に適したホールが少ない。
音楽(指揮・ソリスト・オーケストラ)、舞台(演出・美術・衣裳・照明)等、芸術のあらゆる分野の統合により創り上げる総合芸術のオペラは舞台製作に多額な経費がかかるため、日本の多くのオペラ団体は、公演収入だけでは賄えない現状にある。企業などの助成や協賛金に頼るしかないが、それも難しい。できるだけ経費をかけない舞台の工夫が必要である。また、当団体は現在出演者が制作を分担して行っているため、広報・舞台製作などのスタッフが不足している。オペラに精通したスタッフの確保が難しいが、今後どのようにスタッフを育てていくかが課題である。