子どもたちが持っている想像力や創造力を養う「影絵」文化を体験

団体名:影絵の会
代表者:浦西 朔 所在地:岡山市 設立年:2014年 メンバー数:8名
助成年度:2015年度 文化活動助成

目的

影絵の専門劇団である『劇団角笛』の影絵を観ることで「影絵」の魅力を普く広げ、そして、その劇団の方の創作アドバイスを受けながら、大人(影絵の会)と子ども(一般募集)が一緒になって創り、「影絵」の文化がより広まっていくことを目指した。影絵を創りあげていくことで、子どもが本来持っている想像力や創造力、そしてエネルギーが遺憾なく発揮される場を設けることを狙いとした。

内容・経過

●「劇団角笛」影絵公演『花咲き山』を岡山国際ホテルで開催。来場者74名。
7月29日開催の影絵公演『花咲き山』は、平日にもかかわらず多くの親子が来場し、劇団角笛の温もりある影絵に触れた。劇団角笛の影絵は全て手作りであり、影絵が動く仕組みも手作業のため、プロジェクターを使うデジタルの影絵とは違った温かさが好評だった。上演中には子ども達の歓声が上がる場面もあり、上演後の舞台裏見学では、影絵の仕組みを興味深そうに聞いたり、自分の影が消えるマジックを実際に体験したりと、影絵の世界に惹きこまれる子どもの姿が見られた。
●影絵inルネスⅡをルネスホール2階ワークルームで開催。参加の子ども17名。
8月3日〜7日に行った影絵inルネスでは、劇団角笛の方に教わりながら子ども達が実際に影絵を作った。物語の背景にはOHPを使うため、デジタルでは難しい子ども達の手書きの絵を簡単にスクリーンに映すことができた。また、影絵人形の材料には、ペットボトルや牛乳パック、プラスチック容器など身近な素材が使われ、子ども達は素材の色や形から連想しながら、自由な発想で動物や背景を描きスクリーンに映した。また、影絵人形の手足を動かす仕組みを教わり、更に表現の幅が広がった。この時創った影絵は、「夏休みこどもまつりinルネス〈影絵+劇〉でも使用され、子ども達はルネスホールに創られた巨大スクリーンの後ろで台詞や音楽に合わせて影絵を動かした。
●吉備・陵南まちかど博物館「藤棚影絵」を開催。来場者58名。
10月には、吉備・陵南まちかど博物館の中の公園で、藤棚にスクリーンを作り、影絵公演を行った。夏に劇団角笛の方から教わった影絵人形の作り方を、影絵の会メンバーが子ども達に伝え、撫川の親子と一緒に動く影絵を創り上げた。ここでは子ども達が影絵を動かし、親が朗読する「うさぎとかめ」「ブレーメンの音楽隊」の2作品を発表した。

成果・効果

これまで、影絵を切り取り台詞に合わせて人形をスクリーンに映すだけの影絵劇であったが、「劇団角笛」の方の創作アドバイスを受けたことにより、人形の手足や背景が動く、活きた影絵劇の創作が可能となった。また、舞台裏からスクリーンを介して表現し発表する影絵劇は、表立って舞台に上がることが苦手な子ども達も本来持っている想像力や創造力、エネルギーを発揮できる場となった。
「藤棚影絵」は、手軽に影絵劇が上演できることの指標となった。公園という屋外で行うことで、自宅近くの公園に遊ぶ子ども達や、通りがかった親子が気軽に立ち寄ることができて、より身近に「演劇」を感じていただくことにつながった。

今後の課題と問題点

ターゲットが小学生以下のため、インターネットを利用しての情報宣伝に効果は薄く、来場者・参加者がチラシを配った小学校に偏る結果となった。
「藤棚影絵」では音響スピーカー、マイクの設備が整っていなかったため、声が聞き取りにくかったり、マイクにノイズが入ったりと屋外の不便さを感じた。

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