大学と地域小・中学校との連携による「放課後等学力補充」 − 学力の底上げをめざして −

団体名:放課後等学力補充研究会
代表者:渡邊義雄 所在地:津山市 
助成年度:2014年度 教育活動助成
  • 【奈義中学校での学習支援の様子】
  • 【津山朝日新聞 提供】 2015年3月7日(土)

研究・実践活動のねらいと期待する効果

1ねらい
県北の児童・生徒の学習の習慣化を図り、「学習支援」のスタッフとして本大学生を派遣提供することで、学力の向上をめざすことにある。学力低下、学習意欲の低下、生活習慣の乱れなど、この時代の大きな課題に対しての問題解決のきっかけとして地域を巻き込んだ取り組みをめざしたい。

2期待した成果
児童・生徒にとっては、教師よりも年齢的に身近な学生による指導を通して、学ぶことの喜びを繰り返し経験することで学習意欲を向上させ、ひいては学習習慣の形成を促進することが期待できる。また、学習に対する姿勢が消極的な児童・生徒への学習サポートで底上げにつなげられる。
さらには、現場の先生方と協力して指導を行うことで、学生は、先生方の指導法を学ぶこともできると同時に先生方の負担軽減にも繋がることが期待できる。

研究・実践活動の内容と方法

ここ数年多くの小中学校で、児童・生徒の学力向上を目指して、放課後、長期休業日、休日における教育課程外の補充学習は、様々な取り組みが展開されている。また、これらは、「学力向上市町村プロジェクト事業」や「放課後学習サポート事業」の一環として行われているところもあれば、「学校支援地域本部事業」の一環として行われているところなど様々である。
そのような中で、大学生への学習支援の依頼があった6小・中学校(小学校3校、中学校3校)へ、美作大学児童学科の小学校教員養成コースの学生を中心に派遣し(7月〜3月)、放課後等の補充授業にあたってきた。学生は、先生方と協力して小学校では算数・国語、中学校では国語・数学・社会・理科・英語の5教科の学習を問題集やプリントを用いて進めた。

学生が学習支援に出向いた小・中学校は次の6校である。
・津山市立高田小学校・津山市立秀実小学校
・鏡野町立鏡野南小学校・津山市立北陵中学校
・津山市立鶴山中学校・奈義町立奈義中学校

実践活動内容は、紙面の都合上、小学校1校、中学校1校の取り組みを紹介する。
①津山市立秀実小学校…月曜日(3年生)
4年生以上が6校時の授業をしている間に、3年生は算数の補充学習。児童を4グループに分け(1つのグループは、就実小学校の職員が担当)、1名ずつ担当の学生を決めて、別々の教室で学習を進めた。学生は、児童の学習状況に合わせて、毎回問題を自分たちで作成準備して臨んだ。
②津山市立北陵中学校…夏季休業日(全学年)
土曜日(3年生を励ます会)
夏季休業中の午前中(延べ14日)に「学習支援WakuWaku講座」を1年生から3年生までの全学年で実施。学年ごとに実施日・実施時間・実施教科を計画。指導者は、中学校の先生方と学生。学生は、自分たちが指導可能な実施日と教科とを確認して、事前に中学校に連絡。あらかじめ学習するプリントや問題集を担当の先生から大学に届けていただき、指導内容の準備をして参加。
また、「3年生を励ます会」では、30名の学生が朝9時から12時までボランティアとして参加。前半の部では「3年生への学習会」を実施。5教科(5クラス)に分けて入試過去問題等にチャレンジ。学生は担当の先生方と一緒に学習の支援に当たる。学生はあらかじめ、担当する教科のチャレンジ問題に目を通して、各クラスに6名ずつ参加。1時間目の第1講座と2時間目の第2講座はそれぞれ同じ内容で実施。生徒は、2時間で2講座・2教科に挑戦。2講座終了後、後半の部では教職員、PTAや在校生、大学生たちからの「はげます会」を実施。

得られた成果及び評価

残された課題とその解決への展望

①下校時の安全確保
特に小学校での放課後学習は、児童の下校の安全が確保できない限り、児童の参加が困難である。
②放課後学習時間と学生の講義の空き時間との調整
放課後学習の希望日時と学生の講義の空きコマとがうまく合わず、希望に添えないないこともある。
③学生の交通手段(乗用車所有の有無)
空きコマがあり、参加できる学生がいても、自家用車がなくて遠方の希望校まで行かれないこともある。
④「学力向上の取り組み」に関する研修会等の開催
さらなる美作地域の学力向上のために、関係機関や各校と連携した研修会等を実施する必要がある。

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