小学校児童と中川地区民代表者との合同保護活動の実施と文集「ジャコウアゲハのひみつ」を作成し配布
代表者:小田 美津子 所在地:矢掛町 設立年:2013年 メンバー数:45名 助成年度:2013年度 文化活動助成
目的
中川小学校の近くを流れる小田川土手沿いには、つる性植物ウマノスズクサが自生している。このウマノスズクサだけに産卵する県下でも珍しいアゲハ蝶「ジャコウアゲハ」を保護・育成する活動を通して、地域の活性化を図る。
内容・経過
中川小学校では、毎年3年生が「総合的な学習の時間」を使って県下でも珍しいジャコウアゲハを飼育・保護する学習活動を10年以上続けている。草取り、ウマノスズクサの支柱立て、看板の取り付け、公民館祭での学習発表、地域の皆さんへの保護の呼びかけ等、これらの地道な学習・保護活動が認められ、平成24年3月には「山陽新聞桃太郎賞」を受賞した。
この中川小学校の保護活動に賛同し、昨年より公民館をはじめ地区住民の多くの方々が協力して保護活動や草刈り活動などを続けているところである。
今年度の主な活動を書き出すと、
4月〜5月—3年生は総合的な学習の時間を使って学校近くの小田川土手に観察に出かけ、ウマノスズクサの特徴やジャコウアゲハの雄雌の見分け方、卵の見つけ方や幼虫について学習した。卵や幼虫がついたウマノスズクサを学校に持ち帰り、飼育観察が始まった。小学校近くの土手を保護エリアとし、保護活動を続けた。
6月〜7月—学校での飼育観察活動を通してジャコウアゲハの成長の仕方を学習するとともに、3年生以上の児童と地域のボランティア計約50名がウマノスズクサを移植したり、草取り、竹の支えを刺したり看板を取り付けたりして保護する活動などをした。
8月〜12月—土手の観察保護活動を続けるとともに、地区住民への広報活動としての文集「ジャコウアゲハのひみつ」の制作準備を続けた。
1月〜3月—文集の制作完成と配布、保護を呼びかける看板の取り付けを行った。また、この保護活動を来年も続けるために、2年生を招いて発表会を開いた。
成果・効果
- 10年以上続いている子どもたちと地域のボランティアが一緒になって希少種「ジャコウアゲハ」を守る活動が評価され、日本鳥類保護連盟などから表彰された。その活動の様子が山陽新聞や矢掛放送で紹介され、町内外に広く保護活動の大切さをPRできた。
- 文集「ジャコウアゲハのひみつ」を中川地区全戸に配布することで、多くの人にジャコウアゲハの生態を知ってもらい保護の機運が高まるであろう。
- ジャコウアゲハの学習を通して、自分の郷土を愛し守ろうとする心を養うことができた。
今後の課題と問題点
- 現在ウマノスズクサを保護育成している範囲は、小学校近くだけである。この保護範囲を小田川沿いにもっと広げていきたい。ウマノスズクサは、約3キロ四方に自生しているが保護が徹底できないのが実態である。
- さなぎになりやすい植物を植えたり、人工物を設置したりすることによってジャコウアゲハを増やす保護エリアを増やしたい。
- ウマノスズクサを校地内にも増やす活動を行い、子どもたちの学習活動を展開しやすくする。