乙島祭りの概要を「乙島まつり読本」として出版及び総合学習の授業での出前授業
代表者:上田 拓也 所在地:倉敷市 設立年:2010年 メンバー数:14名 助成年度:2013年度 文化活動助成
目的
倉敷市の重要無形民俗文化財に指定され、県南一帯の千歳楽文化(千歳楽:太鼓台。山車の一種)を代表する乙島祭りであるが、地域の住民構成の変化と少子化の中で千歳楽の担ぎ手不足が顕在化しつつある。そこで、小学3年生の総合学習の時間に合わせ、地域の祭りについての補助教材として使える冊子を発行し、併せて出前授業を行い、地域の祭り文化についての知識を広め、未来の担ぎ手を育て、伝統文化の継承を図る。
内容・経過
出版のため、乙島祭り保存会役員に聞き取り調査、船堀や城など各町内の関係者にインタビューし協力をいただいた。子どもを主な対象とすることから、本文に写真ではなくイラストを採用、地図を挿入するなど可能な限りの図解を心がけた。本文も平易な言葉を使い、全文にルビを振るなど解りやすさを重視している。また、読者の興味を引き出すため、フルカラー印刷とした。
「乙島まつり読本」出版に先だって、乙島東小学校学校司書の協力のもと8月1日に乙島東小学校の図書室で2時間ほどの出前授業を行ったが、これには約20人の参加があった。
印刷製本費については、当初約40万円の見積を貰っていたが、印刷会社の価格改定により約30万に減額。平成25年9月に「乙島まつり読本」(A5版、27p)として1,200部を発行。9月中に乙島小学校(500部)・乙島東小学校(200部)へ配布。また県内公共図書館および金光図書館、観音寺市立図書館、堺市立図書館、新居浜市立図書館、国立国会図書館などに寄贈。さらに玉島地区の小学校、中学校にも各一部ずつ寄贈した。残部は1冊250円で一般に販売。
10月16日、乙島東小学校3年生(約20人)に出前授業。10月21日には乙島小学校3年生(約70人)に出前授業を行った。授業では千歳楽のミニチュアや装飾の実物を持参し、子どもが地域の祭り文化をなるべくリアルに体感できるよう努めた。
成果・効果
小学校からは「子どもが熱心に読んでいた。担任の先生も祭りへの熱い思いが伝わってきたと言っている」との感想をいただいた。興味を持って聞いてくれる子もおり、地域の伝統を少しでも子どもに手渡せたのではないかと思う。また、冊子について大人からの問い合わせも多数あり、秋祭りへの理解を広める一助にはなれたと考えている。
今後の課題と問題点
地域文化の断絶を防ぐためには、子どもへの働きかけを一過性のものにしないよう、小学校への出前授業を継続していく必要がある。このことについては、担当の教諭および学校司書との連繋を図り、学校側のニーズを捉え、児童の興味を引くような情報提示の方法を模索しなければならない。また他の地区から流入する新規住民に対しては、地域の文化への理解と協力を求める活動が、今後一層必要となる。
乙島に限らず、玉島全域に分布する千歳楽をそれぞれの地区で大切に受け継いでいくための働き掛けが必要である。住民自らが千歳楽に対し、玉島に住む我々共通の文化財としての価値を再発見・再認識できるよう、夏の写真展やガイドマップ配布を継続するほか、千歳楽文化を周知するためのイベントを企画したい。