成清仁士+NPO法人倉敷町家トラスト

団体名:成清仁士+NPO法人倉敷町家トラスト
代表者:成清仁士 所在地:倉敷市 設立年:2010年 メンバー数:17名
助成年度:2012年度 文化活動助成(3ヵ年助成)
  • 古地図でたどる倉敷散歩の様子
  • ipadで鳥瞰図や航空写真を確認
  • iPad地図アプリ「kurashikimaps」でまちの変遷を見比べる
  • 展覧会初日トークセッションの様子

ターゲット・対象者

地域の方々(こどもから年配の方々まで)、大学生

目的

受け継がれてきた「倉敷遺産」を次世代へよりよいかたちで継承するために、まちの歴史をビジュアルでわかりやすく再確認し、情報共有するための仕組みづくりを目的としている。同時に、世代を超えた対話・交流のきっかけづくりを狙い、次世代の育成と地域コミュニティの活性化を目指している。

手段

様々な時代の古地図を収集し、それらを資料とした学術的な研究成果を基盤として、まちの変遷をたどるイラストマップを制作。GoogleEarthを利用したデジタル・マップの重ね合わせにより、既存の地図を含めて情報の蓄積と共有を促進、地図を見比べる作業を容易にすることを試みた。

1年次

倉敷の都市形成の歴史を扱った文献や古地図などに関する情報収集と史料収集から始め、古地図を資料として現代の地図と重ね合わせることができる各時代の復元地図を作成した。絵図、測量図、航空写真、都市計画図等、各種古地図史料の収集、36点。1710年、1910年、1947年の復元地図作成。2011年2月5日、「古地図を持ってまち歩き−元倉敷の変遷をたどる−」実施(住民の方々など30名が参加)。

2年次

古写真等の資料・情報収集、GoogleEarthを利用した復元地図等の活用手法を模索した。GoogleEarthとGPSを利用したまち歩きを実施、2011年10月10日「古地図でたどる倉敷さんぽ」、倉敷体験プログラムひやさい(主催:㈳倉敷青年会議所)の一環として実施、参加者15名。同年12月25日「古地図でたどる倉敷さんぽ」実施、地域の方と学生を中心に参加者10名。年度末には「KurashikimapsProject-ProjectReportvol.1」を制作(700部)。

3年次

「KurashikimapsProject-ProjectReportvol.1」をデジタル・ブック化し、web上で公開。iPad地図アプリの開発、倉敷のまちの変遷をたどるイラストマップの制作、2013年3月21〜24日「くらしきマップスプロジェクト展」開催(倉敷市立美術館、約400名来場)。

3年間の事業内容の傾向

学術的な研究手法をベースとした事業内容がわかり難かったこともあり、最初は代表者による個人活動の色彩が濃かった。NPO法人倉敷町家トラストとの協働態勢が徐々に馴染み、周囲の方々の温かい支援を受けた。活動が進むにつれて周囲の人たちを巻き込むかたちで展開してきているが、それには中間報告冊子の発行や展覧会実施による情報発信が功を奏したと思われる。

3年間の観客・参加者等の傾向

最初はまちづくり等に関心を持った方々の参加が中心だったが、徐々に一般の地域の方々に参加して頂けるようになった。他団体との交流や情報交換も進んできている。

今後の展開・予定

3年間の活動成果を集約したiPad地図アプリについて、近日中に一般公開を予定。H25年度は特にアプリの活用方法について模索する。資金については公益財団法人トヨタ財団の助成金を活用。同時にアプリの活用により資金調達する仕組みを検討する。各種学校・団体との連携についても積極的に可能性を模索する。

3年間の事業

まちの歴史を基盤とする3年間の活動成果は、地域の方々みんなが共有できる内容だと考えている。また、できるだけ色々な人の参加が可能なように考案した仕組みは、各種団体との連携に道を開くものだと考えている。さらに、手法しては倉敷に限るものではなく他地域での展開も可能で、今後の波及効果が期待される。地域への文化振興効果については、むしろ今後の展開に期待が寄せられているところとなる。今後の活動の進め方自体も、分野や世代の境界を超えた対話と交流を行いながら、次代を担う人材を育て繋げるきっかけにしていきたい。

活動の周知方法

3月に実施した展覧会については、フライヤーを1200部刷って倉敷市役所をはじめとして各所に配布した。山陽新聞や倉敷ケーブルテレビ、FMくらしき等、地元メディアが多く取り上げてくれたため、たくさんの地域の方々が足を運んで下さった。また、プロジェクトのホームページやfacebookを利用して情報発信を行い、若い世代にはこちらが役に立ったと思われる。

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