燈仄会50回記念展及び記念誌の発刊

団体名:燈仄会
代表者:渡辺暉夫 所在地:総社市 設立年:1956年 メンバー数:33名
助成年度:2012年度 文化活動助成
  • 記念誌の表紙
  • 記念展の様子

目的

燈仄会は洋画家の坂田一男の発案で倉敷市出身の洋画家河原修平により発足した美術団体であり、会員は坂田一男、河原修平の教えである基礎基本そして創作活動へのきびしい取り組みを大切に実践し続けることを目的に日々努力している。

経過

昭和31年(1956年)に第1回展が開催され、倉敷を拠点に展覧会を継続してきた。今回50周年を記念し、記念誌の発刊と共に、第50回記念展を開催した。

1.燈仄会50回記念展の開催
会場 倉敷市立美術館
1階第1展示室(A・B)来場者950名
2階第3展示室(A・B)来場者988名計1938名
日時 平成24年5月22日(火)〜5月27日(日)
記念事業として、燈仄会会員に加えて会員以外の河原修平門下生の作品も展示するとともに、特別展示として河原修平遺作と河原修平と親交のあった坂田一男、佐藤一章、三橋健の遺作を展示する。

2.『燈仄会50回記念誌』の発刊500冊
河原修平及び親交のあった洋画家等の作品及び河原修平にかかわる文章、河原修平語録を掲載する。会員一人一人の作品と、この50年の思い出、河原修平、坂田一男の教え、そして今の制作への思い等を掲載。
※これらの作家の偉大さを風化させることなく再確認させるとともに、会員がもう一度原点に戻りこれらのあり方について考える。

成果

○河原修平、坂田一男、佐藤一章、三橋健の遺作展を掲載展示したことは多くの方から昭和の時代の岡山県美術文化の縮図を見ているようであると評価された。また、河原修平遺作については基礎基本が裏付けされた作品に感動したと特に若い人たちから評価を受けた。
○会員の作品については、河原修平、坂田一男の教えである基礎基本を大切にしていること、作品制作において自分にきびしさを持ちながら真剣に取り組んでいることがよくわかるという評価とともに、作品が具象作品から抽象作品など表現方法も立体、油彩、水彩、和紙、七宝等、多種多彩であるということも評価された。

今後の課題と問題点

燈仄会会員は河原修平門下生の団体であるので年齢層が高く今後もどんどん高齢化していく。しかし、会員の中には公募展や団体に所属したり、指導的立場であったり、審査員であったり、グループの指導者であったり、講師であったりしながら、発表活動も岡山県内はもとより県外、海外で発表するなど精力的に活動している。これからもこのような活動を通して燈仄会の理念でもある基礎基本の大切さ、表現のきびしさを次の世代に伝えていくことが大きな課題である。

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