岡山映画祭2012「映画のチカラ×地域のチカラ」の企画及び開催

団体名:岡山映画祭実行委員会
代表者:岡本 隆 所在地:岡山市 設立年:1994年 メンバー数:15名
助成年度:2012年度 文化活動助成
  • チラシ
  • 「やぎの冒険」を制作した沖縄の高校生監督と山陽女子学園の生徒
  • 日限の縁日で披露された大魔神像

目的

岡山で撮影・制作された岡山発の映画と、全国から選りすぐりの招待作品を岡山市内の映画館などで上映する。映画を通じての地域活性化及び地域発映画の映画映像の支援を行い、また、映画映像に携わる人物の発見と支援を目的とする。

経過

2月上旬より試写を重ね、7月初めには作品と会場がほぼ決定した。9月、10月と広告宣伝活動に入り、日限の縁日で披露する大魔神像の作成や、その『大魔神怒る』上映準備を、日限の縁日実行委員会と一緒に行った。11月17日に岡山映画祭2012として開幕し、オープニング上映を岡山シティミュージアムで行った。オープニング上映は実行委員会が県内巡回上映に協力した『ひかりのおと』にした。その17日夜は、一般劇場のジョリー東宝で『アントキノイノチ』の上映を行った。18日は3月で閉鎖される三丁目劇場での上映。翌週の23日は、日限の縁日との共同企画で、千日前商店街のブルーブルース(ライブハウス)で岡山ゆかりの俳優、本郷功次郎主演『大魔神怒る』や、日活の始祖で、岡山の千日前商店街近く(西中島)で出生した“目玉の松ちゃん”こと尾上松之助作品を上映した。この尾上松之助特集はサイレント映画に伴奏をつけるスタイルで行われ、シンポジウムも行った。24日と25日は再び岡山シティミュージアムでの上映となり、24日は沖縄の現役高校生監督をゲストに呼び、地元・山陽女子学園の生徒との共働上映もできた。最終日は、岡山発映画特集の上映と、シンポジウム、制作発表が行われた。

成果

前回までとは違った場所での上映(ライブハウス)が実現できた。さらに、ジョリー東宝という一般劇場での上映も行い、前回までとは毛色の違う上映となった。今までと同じく公共のホール岡山シティミュージアムや、三丁目劇場での上映も行ったが、特に、三丁目劇場は2012年度をもっての閉館ということで、感慨深い物もあった。
また、日限の縁日実行委員会と共同企画が行われ、地方の方々との交流が生まれた。その中で、日切りの縁日や、総社のレトロ−ド関係者、その他団体の有志達の協力により、高さ約4メートルの大魔神像を完成させた。岡山発映画の上映や支援という点では、岡山の作家や映画映像制作に興味のある団体の作品と、マスコミを入れた制作発表ができた。併せて、ゲスト監督と観客との豊かな交流で、岡山の映画映像文化の発展に貢献できたと思う。

今後の課題と問題点

成果・効果と表裏一体ではあるが、上映会場が分散してしまったことが課題として上げられる。開催時期にも関係があるが会場が複数あったため、機材などの移動に人手をさかれた。また、機材の不足している会場へは、レンタル機材を持ち込んだため、手間と費用が掛かった。このあたりをもっとスマートにできたのではないかと思われる。宣伝は、より効果的にできたと思う。そういう意味では大魔神の展示方法や、前段階の制作を公開するなどの創意と工夫が不足していた。
全体として観客動員は5日間で700人強と健闘したが、広告収入の減少などの収入減が大きかった。上記とつなげて考えると、前もっての準備が不足していたし、収入増を図る努力が足りていなかった。実は支出や経費を削減することに関しては成功し、当初の見積もりよりもかなり抑えられたが、やはり内向きの刺激策であった。外への発信を考えなければいけないと思う。
金銭面では以上のことが言えるが、運営スタッフの人材面での不足が目立った。これを解消すべく他団体との協同も試みたが、根本的な解決には至っていない。これも今後の課題だと思う。

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