百鬼園倶楽部
代表者:岡 將男 所在地:岡山市 設立年:1987年 メンバー数:150名 助成年度:2011年度 文化活動助成(3ヵ年助成)
目的
豊かさを日本で初めて語ったと言われる、内田百閒の著作を通じて、その借金哲学、鉄道や琴、猫などの趣味、そしてグルメやお酒などについて楽しく遊びながら、人の心とお金の関係を論じる。現代社会のアメニティーとして百閒文学を全国に情報発信すると同時に、その生誕地岡山に百閒ファンに来ていただく。
手段
- 百鬼園故郷阿房列車の運行、記念シンポジウムの開催
- 生家模型の鉄道模型としての活用
- 生家地図の印刷発行、全国書店での無料配布、ゆかりの地プレートの設置
1年次
●3月11日〜13日山陽新聞取材協力(連載第一部)会長同行取材寝台特急「東京−八代」はやぶさ乗車、百閒ゆかりの八代松浜軒など訪問。
●5月29日御馳走帖阿房電車路面電車MOMO貸切20名。
●5月31日生誕120年記念シンポジウム(三光荘アトリウムホール)60名参加、テーマ「百閒文学の光と影を語る」、懇親会、生家周辺探訪。
●百閒ゆかりの地観光地図の発行と配布(5月)部数5000部。
●7月22日〜8月3日百閒故郷阿房鉄道(鉄道模型)展示運転、丸善
●11月8日、百鬼園故郷阿房列車第21弾「三谷の金剛様120年目のお参り列車」参加25人
(成果)内田百閒文学賞の存続決定、顕彰の流れの復活、百閒生家模型の活用
2年次
●5月29日岡山県郷土文化財団のイベント連動、お墓参りツアー開催。
●6月12日故郷阿房列車第22弾
「宇野線・宇高航路100周年記念、(直島銭湯)編」参加50名。
●7月21日〜8月2日百閒故郷阿房鉄道(鉄道模型)展示運転(丸善シンフォニー店)、百閒著作販売、パネル展示。
●内田百閒・「ふるさと岡山まち歩き地図」発行、岡山県観光課の新規事業提案に応募、3万枚印刷。「岡山御馳走帖」同封で、東京神田の書店などにも配布、岡山では観光案内所、三光荘、吉備路文学館、ゆかりの地等に配布。百鬼園倶楽部会員、各地書店に発送。
●内田百閒・岡山御馳走帖内田百閒の語る岡山の御馳走を岡山の飲食事業者に情報提供。縮刷版を地図に同封、配布1万2000部印刷。
●内田百閒・「ゆかりの地プレート」の設置(岡山県観光事業)
生家、旭川土手、京橋、瀬戸町三谷金剛様など百閒ゆかりの文学碑は4箇所。生家、大手饅頭、みよしの、吉備団子の廣栄堂、墓地(安住院)の5箇所にエピソードを書いた「ゆかりの地プレート」を設置。
(成果)3事業でコンテンツとしての百閒がデジタル化された意義も大きい、岡山県の観光資源としても、一定の準備ができた。
3年次
●百鬼園故郷阿房列車第23弾、「山陽線120周年記念、文学と映画の町・尾道」編の運行、参加者は百鬼園倶楽部・一般60名、うち「おいでんせぇ岡山」の協力により、東日本大震災被災者20名を招待、尾道駅頭でひこひこライブ実施。
●百閒御馳走メニュー協力店の組織的拡大ための講演活動。
飲食業・旅館業組合関係、ライオンズ関係、ソロプチミスト関係など5回。
●各地書店に地図配布事業継続岡山県内、東京神田の書店に補充郵送4000部。
●鉄道の日イベントで百閒鉄道模型の展示運転(デジタルミュージアム)。
10月15日のJR西日本、岡山電気軌道主催のイベント、前後半年間も展示運転。
●百閒ゆかりの地の看板設置事業森下町の松尾印刷のご協力で、内田百閒ゆかりの地の地図、生家周辺図の地図看板を設置。
(成果)阿房列車実施の定例化、他団体とのコラボ実施、各コンテンツの継続的配布、拡大に道を開く。
3年間の事業内容の傾向
●3回の故郷阿房列車の実施は、マスコミなどで話題になった。
●120周年記念シンポなど関連イベントにより、顕彰ムードが盛り上がり、岡山県郷土文化財団の内田百閒文学賞存続に一定の役割を果たせた。
●生家周辺地図などの製作配布、ゆかりの地プレートなどの設置で、県外からの来訪者への一定のサービスを提供できた。
3年間の観客・参加者等の傾向
●阿房列車の運行では、参加者の半数は新規の一般公募者となった。イベントが面白そうだということで、新規にファンになった方も多い。
●文学ファン、鉄道ファンだけでなく、百閒の多趣味が影響して、猫、琴、飛行機、客船、俳句などのファンも参加していた。
今後の展開・予定
●生家地図の配布の継続とゆかりの地プレートを100カ所まで展開。
●会員の増強と、寄付の拡大により、基本コンテンツを活用。
●故郷阿房列車は毎回独立採算で毎年1回運行予定。
●期間中に実現できなかった岡﨑家所蔵の百閒書簡など80通の出版については、ワード化が完成し、各方面に交渉を開始する。
3年間の事業
●生誕120年を機に、約10年間停滞していた活動を再開。
●まずは存続が危ぶまれた岡山県の内田百閒文学賞の存続のため、話題作りをして顕彰のムード高めることに成功し、存続が決まったことは素直に喜べる。
●設立から24年目にして、生家周辺地図の本格的印刷と東京・神田の書店などへの配布が実現、あわせて生家周辺ゆかりの地プレートの設置に着手できたことは、福武財団の継続的支援があってはじめて可能であった。3年間継続ということで、じっくり進めることができた。また岡山県観光課の補助や、おいでんせぇ岡山、ソロプチミスト桃とのコラボで活動を展開もすることができた。
活動の周知方法
鉄道記者クラブ、岡山市政記者クラブにて毎回記者発表。
特に山陽新聞については、コラボして記事の製作に協力、インタビュー者の紹介調整を行った。