ライブ・エンターテイメントに触れる機会の減っている岡山の子どもたちのために、倉敷チボリ公園の残したソフトコンテンツを活用する。
代表者:赤木美子 所在地:倉敷市 設立年:2008年 メンバー数:21名 助成年度:2011年度 文化活動助成
目的
倉敷チボリ公園の開園当初、大いに人気を博したミュージカル「ハンスの冒険」。この公演は、アンデルセン童話の「裸の王様」「人魚姫」「赤い靴」をモチーフにした全3作のオリジナル・ミュージカルで、当時、NHKの人気番組で活躍していた子ども向けエンターテイメント制作の第一人者が関わって倉敷チボリ公園のために書き下ろされ、1997年から2001年にかけて、毎日、園内のこども劇場で上演されていました。
倉敷チボリ公園の閉園と同時に、その命を閉じられるものとされていたこのミュージカルのキャラクター(イラスト)を活用し、子どもたちと楽しめるソフトコンテンツとして復活させることを目的としました。
経過
私たちは、主にエンターテイメント・宣伝・文化事業などに関わってきたチボリのスタッフで立ち上げた団体です。倉敷チボリ公園にいた当時、このミュージカルは外に出されることはなく、そのため、当時のミュージカル関係者にも高い評価を受けながら、多くの人に知っていただくことができなかったことが、残念でなりませんでした。
公演となれば、ヒト・モノ・カネが大きく動き、収支はトントンより厳しいものになる。ハンスをもっと子どもたちの身近に、日常的にある存在としたい。そのためにできることはないか…。
倉敷チボリ公園のシーズンイベントの担当として、チボリ設立10周年事業の一つにこの公演の再演を企画し、その宣伝材料として2次元のキャラクターの制作にもあたり、なんとか、再演を果たしたものの、毎日2〜3回という定番公演を維持していく体力のなくなったチボリで、どのようにファンの裾野を広げていこうかと、考えていました。
ハレの日にはミュージカル公演を、そして日常的には、ポップなキャラクターによる絵本としての展開、素晴らしい楽曲を生かした役者1〜2名による紙芝居公演…。
いずれ県内の児童館に紙芝居を寄贈し、このミュージカルが育んでいるものを日常的に多くの人に触れ合ってもらうことができたら…。倉敷チボリ公園開園当初と10周年の時にエンターテイメント事業に関わったその時の思いが今回の提案の元になっています。
成果
昨年12月に開業したアリオ倉敷を会場に、岡山県出身のハンス役の役者を迎えた「紙芝居グリーティング(簡易なショー)」の実現は、アリオ開業間もない今年3月までには調整がつかず、かないませんでしたが、「裸の王様編」と「人魚姫編」のうち、楽曲の付いているシーンを抜き出して、絵コンテ−作画−パネル制作という手順で制作いたしました。
現在、残っているのは1作目の衣装・小道具のみで、人気のある「人魚姫のルルル」と「猫のミーニャ」を加えた2作目「人魚姫編」、公演期間の短かった3作目「赤い靴編」などの衣装・小道具は閉園と同時に廃棄され、公演自体が難しくなっています。
今回制作したパネルの手法を使って、これらの作品を含め死蔵されている作品にも息を吹き込みたいと思っています。
今後の課題と問題点
制作に当たり資金の調達。実演にあたり、役者の手配、あるいは、実演者の育成。デモンストレーションとして、きちんとしたものを実演した上で、実演者の裾野を広げていく活動を続けていきたい。