合唱音楽を通して青少年の健全育成を図り、地域の音楽文化の発展を担う

団体名:合唱団こぶ
代表者:大山敬子 所在地:総社市 設立年:1998年 メンバー数:60名
助成年度:2010年度 文化活動助成
  • 全国大会

目的

「合唱を通して音楽を求め、生き方を学ぶ。」をモットーに活動を始めた合唱団であったが、メンバーの成長とともに、地域に根ざし、地域に広がる活動が行えるようになり、現在では「地域の音楽文化を発展させ、心豊かな町づくりに貢献する。」という目的を持って合唱活動を行っている。そのために次の3つの目標を掲げ、年間の活動方針を決定している。
①コンクール・コンテストへの参加である。常に向上心を持ち音楽のクオリティーを高めていくための精進の場を設定している。
②地域での演奏会の開催・各種イベントへの参加・施設訪問演奏である。地元総社や県内の人々に喜んでもらえる音楽づくりを大切にしている。
③次世代を担う指導者の養成である。連綿と続いていく文化活動とするためには若い世代へ繋いでいく体制が必要である。学校教育の現場と連携できる次世代の指導者によってこそ、合唱文化は発展すると考えている。

経過

1992年「合唱団こぶ」の前身である「総社東中OB合唱団」結成。全国大会への夢を胸に合唱活動を始める。1998年「合唱団こぶ」に改名。毎年4月に、高校1年生が入団し新しい息吹を吹き込む。一方で高校3年生が受験勉強のため活動を休止したり、年頃になると就職や進学・結婚で地元を離れたりしてメンバーは変動。常に「若い混声合唱団」であった。
ここ5年ほどで、定期演奏会で活動を知った社会人メンバーが入団したり、大人になったメンバーの意識も高まったりして歌声に深みが加わってきている。現在女声28名男声30名常任指揮者・ピアニスト各1名の60名で活動している。地域の中学生や高校生の合唱指導も行い、団員の中には音楽(合唱)指導者をめざす者も増えつつある。

成果

本年度は全日本合唱コンクールで2回めの出場を果たし銀賞を、全国男声声楽アンサンブルコンテストでは小編成部門最優秀賞を与えられた。また、ふれあいロードレース大会歌式典演奏や、市の文化行事(サマーミュージックフェスタ、オータムフェスタ)参加、依頼演奏(病院訪問演奏、リブ・コンサート、CD作成など)も多数あり、地域の音楽文化の発展や音楽を通しての地元の人々との交流に力を入れることができた。
活動の締めくくりとして毎年3月に開催している定期演奏会のリハーサル前日、東日本を襲った未曾有の大震災が起きた。コンサート中断も考えたが、私たちは東日本救済支援チャリティーコンサートに切り替えようと決断した。このコンサートで学んだ多くのことは団員にとって一生の財産となった。

今後の課題と問題点

活動人数の確保:岡山県では若年層(特に中学校・高等学校)の合唱人口は大変少なくその活動も低迷した状況にある。その中で毎年、新メンバーが入団しているのは、指揮者が中学校現場の教員であることに拠る部分が大きい。感動的な合唱体験をした若者が親となり指導者となるまで、この活動を後退させることなく維持することが課題である。
活動予算の確保:地元の宝と言ってもらえる団になるためには、喜んでもらえる魅力的な演奏活動を求めていかなくてはならない。そして全国に通用する実力を身につけるためのトレーニングも不可欠である。特色あるコンサート作りや有能な指導者によるレッスンを受けるために、それに関わる経費をどうまかなっていくかが問題となっている。

PDFアイコンPDFで見る