月の輪古墳について生徒が描いた絵を絵本にして出版する
代表者:南勝弘 所在地:美咲町 助成年度:2010年度 文化活動助成
目的
月の輪の心を継承する(からだごと学習する生涯学習の原点・ボランテイア活動の原点・自然環境を大切にする)。子どもの未来を開く教育や文化活動の推進文化財視察。見学者への現地案内の後継者育成。
経過
平成15年10月5日おこなわれた「月の輪古墳発掘50周年記念祭」のために、柵原中学校の生徒たちが月の輪古墳について学習しながら、夏休み等に大きな和紙15枚(1枚60×95㎝)に描いて、会場となった旧飯岡小学校体育館の壁面に、絵物語として展示して好評を得た。その年度に第1集は、生徒作品の絵本『三笠宮と月の輪』を編集して出版した。今回は続編『月の輪古墳の発掘』を出版する運びとなった。平素から活動している文化財の保護・保存・活用に大変重要な役目をしている月の輪古墳について広く伝えることができるように、次のようなことを実施した。
- 絵本「月の輪古墳の発掘」を描いた人、町内の図書館、近隣市町の図書館、県立図書館、三笠宮崇仁殿下、国立国会図書館に贈呈
- 「月の輪古墳」説明ボランティアの実施
- 熊山遺跡研究会主催の講演会などに参加
- 月の輪古墳周辺の草刈り作業
- 永瀬清子さんの作詞、箕作秋吉作曲の「つきの輪おどり」の普及活動
成果
絵物語を作る過程で月の輪古墳をはじめ地域の歴史・文化の学習ができたこと。中学生が和紙に描いていた力作の絵物語を絵本として印刷できたこと。このことは生徒たちの柔軟な想像力で文章から月の輪古墳が造られた、約1600年前のようすを想像し再現できた。
絵本は、町内をはじめ近隣、県立図書館等に寄贈することができた。岡山国民文化祭開催の年にあたり、より多くの人に絵本「月の輪古墳の発掘」が知られた。この絵本を通して月の輪古墳発掘の心が文化財の保護・保存・活用に少しでも役立つことができたと思う。
今後の課題と問題点
月の輪古墳の発掘の意義がよりひろく伝わるひとつの方法として、生徒が描いた絵本の1編を発刊できたことは大変よいことであった。あと2編の絵物語が和紙に描いたままになっているので、より早い時点で絵本として製本、出版できるようにつとめている。月の輪古墳の発掘は、世界からも注目されている方法である。若い力が今後の月の輪の心を継承するポイントである。文化財の調査・保護・保存・活用は、長期間の忍耐が必要である。後継者の育成ということで、区切りになる年に記念的な行事をし、啓蒙活動をすることである。月の輪古墳発掘60周年に向けて活動している。