音声訳により全国の基準に則り、録音図書を製作(蔵書)し、視覚障害者に供する
代表者:藤澤好美 所在地:岡山市 設立年:1974年 メンバー数:115名 助成年度:2008年度 文化活動助成
目的
録音図書製作のほか、視覚障害者(利用者)の身辺公情報(新聞、公報紙等)の音声化、プライベート希望図書の製作、対面朗読などを行い、視覚障害者の読書環境の向上に資する。
経過
岡山県視覚障害者センター(前岡山県立点字図書館)は、全国視覚障害者情報提供施設協会の録音図書製作をしている県内唯一の施設です。録音図書製作にあたっては重複製作は極力避け、原本に忠実に、内容を正確に伝えることが求められます。
岡山県視覚障害者センター朗読奉仕ふきの会(以下「ふきの会」という。)は、岡山県視覚障害センターと連携して、音声訳により録音図書を製作し、CD,テープ等で全国の視覚障害者に提供しています。(蔵書)
また、当該センター利用者の単独依頼図書(プライベート)、情報誌、新聞記事などの音声訳の提供のほか、対面朗読などで視覚障害者に対し朗読奉仕を行っています。
視覚障害者として登録されている方は、全国で30万人余といわれています。一方、年々大量に出版される図書などに対し、音声訳化されているテープ、CD等による蔵書は不足しており、しかもニーズは増える一途です。
このニーズに対応して、昭和49年、同好の有志が集い、岡山県立岡山盲学校の中に朗読奉仕「ふきの会」を設立、以後ボランティアとして図書等の音声訳による蔵書化作業などに努めてきました。
現在は、岡山県視覚障害者センターで活動しています。
成果
発足来、蔵書は、3217タイトル(そのうちデイジー図書は399タイトル、平成20年3月31日現在)プライベートものは、毎年30〜50タイトル製作しています。その中平成19年度においては、蔵書91タイトル、(デイジー図書91タイトル)プライベートものは45タイトル製作しています。その他、岡山県視覚障害者センターの定期刊行物(5種月1回、1種年4回)の音声訳、対面朗読週3回を実施しています。
会としては、より良い成果品を製作するために、中央等での研修会への積極的参加、会独自の研修会(年7回)、自主勉強会(月数回)を実行し、研さんに努めています。
※デイジー・・・コンピュータの機能を生かしてデジタル録音資料を製作するシステム
今後の課題と問題点
1会員の増加と質の向上
出版物の大量化と多様化の進む中で、会としては、会員を増やし、1冊でも多く音声訳に取り組むようにしたいと考えています。
また、音声訳及びデジタル化には、相当高度な知識・技術を要するものもあり、日頃の自己研さんはもとより、研修会などにより一層会員の質を高めることが必要です。
2デジタル化への対応
近年、メディアのアナログからデジタルへと急速に進む中で、音声訳機材もテープからCD、デイジー等へ変遷しています。その主流となるものはパソコンであり、会としてこれ及び関連する機器の整備を図ることが喫緊の課題です。
また、録音図書のデジタル化は、利用者にとって、読みたい箇所の自在な抽出、読みたい本を選ぶプライバシーの保護など数々の利点があり、今後もデジタル化の推進と利用態勢づくりに努めていきます。