奇習の伝承と観光振興
代表者:難波藤江 所在地:鏡野町 設立年:1979年 メンバー数:17名 助成年度:2008年度 文化活動助成
目的
奥津温泉には古くから、全国的にも珍しい洗濯の風習があります。「足踏み洗濯」です。
これは女性が立ったまま足で衣を踏んで洗う方法で、風習より奇習と言った方が適切かもしれません。この奇習の原因は、昔からこの地域には熊や狼が多く横行し、川のほとりに自然に湧く温泉で洗濯をする婦女子がこれらに襲われないよう、立ったまま見張りをしながら洗濯をしていたのが今日に伝わったと言われています。この貴重な風習を後世に保存伝承すること、観光資源として役立たせることを目的としています。
経過
昭和8年7月、与謝野晶子、鉄幹夫妻が奥津温泉を訪れ「足踏み洗濯」の風景を詠んだ歌があるように当時すでに生活風習化され盛んに行われていたようです。この奇習を風習とした洗濯方法は日常生活の中で自然に今日まで伝承されてきました。戦後の観光ブームの中で昭和54年4月、地域の旅館経営者、商店主等が中心となり、観光客へのサービスとしてまた、この貴重な風習を後世に伝承しようと「奥津温泉足踏み洗濯保存会」を結成し絣の着物を着て、軽快にステップを踏みながら足洗いをする「洗濯ダンス」が始まりました。永年の努力の甲斐あって、今日では奥津温泉の風物詩として足踏み洗濯」が定着しています。設立より30年を経た現在、会員数17名、出演者数15名が3人1組となり3月から12月中旬までの毎日曜、祝祭日の朝8時30分より「奥津温泉小唄」の音楽に合わせ軽快なステップを踏んでいます。また、毎週清掃の日を定め、洗濯場付近を年間を通じて掃除を行い地域の環境美化保全にも努めており、これらの活動により観光客をはじめ道行く人々に広く楽しんでいただいています。
成果
岡山県民局、県観光連盟、鏡野町、各テレビ、新聞などの要望にも応え通常の実演のみならず、お客様と一体になっての「足踏み洗濯体験会」、「足踏み洗濯撮影会」などを毎年毎年と繰り返し開催し今日に至っております。これら長年、休む事無く続けてきた活動に対し、地域の方々にも、観光で奥津温泉を訪れる方々へも「足踏み洗濯」に大きな期待をいただくことができています。本年度は、長年の懸案でもありました衣装を新調することができました。全員があらためてこの奇習の保存伝承と奥津温泉の観光振興に取り組むことができるものと確信しています。
今後の課題と問題点
1.運営資金について
地元旅館組合、観光協会、町行政の助成をいただいていますが、行政、団体共に緊縮財政により、いただいている助成額の維持が困難な状況のため資金面で大きな不安があります。
今後の運営について、募金活動の開始や更なる経費節減が求められているところです。
2.後継者不足
会員、実演者共に高齢化が進んでいること、全員が少人数での自営業や勤めをしている関係で仕事と出演の調整が取りづらく、常に実演者不足の状態に陥っています。常々新規会員、新規実演者の募集にも努めてはいるもののなかなか進まず、今この会員の減少が悩みの種となっています。